「黒いラベルのフード」は学校から追放せよ。メキシコで肥満対策法

Photo: Arkadij Schell/ Shutterstock.com

そもそも学校でスナック菓子が売られていることにカルチャーショック。

「黒いロゴのお菓子」はアウト

メキシコでは、パッケージ前面に塩分、糖分、カロリー、脂肪分が多いことを示す、八角形の黒い警告ロゴの表示義務制度があります。Photo: Arkadij Schell / Shutterstock.com

メキシコ政府は、肥満対策の一環として、2026年3月29日から学校内でジャンクフードの販売を禁止すると発表しました。

販売が禁止されるのは、砂糖入りの飲料や黒い警告ロゴが表示されているスナック菓子など。なお、この命令に違反した学校管理者には、545〜5,450ドル(約8〜80万円)の罰金が科せられます。

メキシコの子どもたちの間では、「チチャロン」と呼ばれる豚肉の皮を揚げたスナックや、チリ風味のピーナツ菓子など、高カロリーのお菓子が人気。給食制度が整ってない学校がほとんどで、児童たちは食事の代わりに高カロリーなスナック菓子を食べているのが現状です。

日本の小学校なら、教室のゴミ箱からお菓子の包み紙が発見されただけで大騒ぎでしたよ。学校でスナック菓子が食べられるなんて当時の私だったら羨ましく思ったででしょうが、大人になると給食があることがどれほどありがたいことか分かります。

3分の1の子どもが肥満

2020年のOECDのレポートによると、メキシコでは国民の73%が太り過ぎ、そのうち30%以上が重度の肥満とされています。中でも5〜19歳の肥満率は深刻で、1996〜2016年の10年間で倍増、現在は3分の1の子どもが肥満状態にあります。

肥満は糖尿病、心血管疾患、がん、認知症など、多くの慢性疾患の主なリスク要因になります。メキシコ政府は、これまでもジャンクフード禁止法など肥満対策を行なってきましたが、なかなか浸透しませんでした。

各学校への監視も不十分で、多くの学校には給水器どころかインターネットや電気さえも安定していないため、今回の禁止法もどこまで取り締まれるかが課題ですね。

メキシコといえば、タコスやブリトーなどコスパ最強ストリートフードが豊富ですが、最近はドリトスにインスタント麺やチーズなどを入れた「ドリロコス」なるものも流行っているみたいですね。そりゃ太るって。

Source: CNN, 、References: OECD, Florida Atlantic University

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