イラン戦争は2週目に、トランプ氏「無条件降伏」求める
[ベイルート、ワシントン、エルサレム 7日 ロイター] - 米国がイスラエルと協調して始めたイラン攻撃は7日、2週目に入った。トランプ米大統領は6日、イランの「無条件降伏」以外は受け入れないと表明。イスラエルはイランおよびレバノンと新たな攻撃の応酬を繰り広げており、戦争の終結への道筋や時期を巡る不確実性が高まっている。
トランプ氏はイランとの間で「無条件降伏」以外の合意は成立しないと、自身のソーシャルメディアに投稿。この数時間前には、イランのペゼシュキアン大統領が、国名は伏せつつも複数の国が調停努力を開始したと表明し、わずかではあるが外交的解決の期待が一時的に高まっていた。
トランプ氏は「偉大で受け入れ可能な指導者が選出されれば、われわれと多くの素晴らしく勇敢な同盟国やパートナーは、イランを破滅の淵から救い出すために休みなく取り組むだろう」とし、イランの経済活性化に取り組むと語った。
トランプ氏の戦争目的についての説明は二転三転しており、影響はすでにイランの国境をはるかに越えて波及。世界の金融市場を揺るがし、原油価格を高騰させ、地域紛争は長期化する可能性が高まっている。
攻撃に対抗して、イランはイスラエルのほか、米軍施設がある複数の湾岸諸国を標的に報復攻撃を行っている。
イスラエル国内では6日、飛来するイランの攻撃を撃ち落とすために防空システムが作動し、爆発音が聞こえた。アラブ首長国連邦(UAE)、クウェート、カタール、バーレーン、サウジアラビアはいずれも、ドローンおよびミサイルによる新たな攻撃を報告した。
一方、イスラエルはレバノンへの攻撃を大幅に拡大した。前例のない規模で首都ベイルートの南部郊外全域に退避命令を出し、6日には同市中心部を空爆した。
イスラエルはイランに対しても新たな攻撃を仕掛け、殺害された最高指導者ハメネイ師の破壊された邸宅の地下にあり、イラン指導部がまだ使用しているバンカー(地下壕)を50機の軍用機が攻撃したと発表した。
7日朝、イランのタスニム通信は、テヘランのメヘラバード空港が攻撃されたと報じた。これについて、イランの革命防衛隊やヒズボラからのコメントはなかった。
イスラエルは、1980年代以降のレバノンにおいて支配的な派閥となっている親イラン武装組織ヒズボラを根絶するため、レバノンにも爆撃を拡大している。ヒズボラはハメネイ師殺害への報復として、今週イスラエルに向けて発砲した。
ベイルート南部の郊外から逃れ、中心街の路上で夜を過ごしたジャマル・セイフェディンさん(43)は、「私たちは路上で寝ている。車の中や海岸にいる人もいる」と語った。
ノルウェー難民評議会によると、この4日間でレバノンでは約30万人が避難を余儀なくされた。
イスラエル軍は、作戦の最初の1週間でイランの防空システムの80%を破壊し、ミサイル発射装置の60%以上を無力化したと述べた。
<市場は急落>
トランプ氏によるイランの降伏要求は、早期終結への道筋を一段と複雑にする可能性が高いとの見方から、6日の欧州と米国の株価は急落した。重要な海上輸送路であるホルムズ海峡が事実上閉鎖されるなか、原油価格は数年ぶりの高値に達した。
トランプ氏は5日のロイターとの電話インタビューで、ハメネイ師に代わるイランの新たな最高指導者の選定に、自身が発言権を持たねばならないと述べた。人口9000万人超の国に対する異例の主張は、6日にも繰り返された。
イランのイラバニ国連大使は記者団に対し、新たな指導部は「いかなる外国の干渉も受けず、わが国の憲法上の手続きに従い、イラン国民の意志のみによって」選ばれると述べた。
イスラエルは、イランの支配体制の打倒を目指すと公言している。関係者3人によると、イスラエルは戦争に乗じて国境付近の町の掌握を狙うイランのクルド人武装組織を支援する目的で、イラン西部の一部を爆撃しているという。
イランはこの戦争を正当な理由のない攻撃と位置づけ、ハメネイ師の殺害を暗殺と表現している。
<これまでに数百人が死亡>
イランのペゼシュキアン大統領は6日、「一部の国が仲介努力を始めた」とXに投稿した。対象国や詳細については明らかにしていない。
米紙ワシントン・ポストは情報に詳しい3人の当局者の話として、米軍の居場所を特定するイランの能力が低下したことを受け、ロシアがイランに対し、中東における米国の軍艦や航空機の位置情報を提供していると報じた。米国内のロシアの代表部は、この報道に関するコメントの要請に直ちには応じなかった。
トランプ氏は6日、防衛関連企業7社の幹部らと面会し、武器生産の加速に同意を取り付けたと述べた。イランなどでの最近の軍事作戦によって備蓄が減少しているため、政権は防衛企業に圧力をかけている。
米ホワイトハウスのレビット報道官は、米国にはイランでの作戦のニーズを満たすのに十分な武器の備蓄があるとし、同作戦の完了には約4ー6週間かかると述べた。
イラバニ国連大使はイラン赤新月社の話として、米国とイスラエルが2月28日に攻撃を開始して以来、イランで少なくとも1332人が死亡したと述べた。
レバノンの保健省は、イスラエルの攻撃により123人が死亡、683人が負傷したと報告。開戦以来、イランの攻撃によりイスラエルでは11人が死亡し、少なくとも6人の米兵が死亡している。
2人の米当局者がロイターに語ったところによると、開戦初日に多数の子供が死亡したイランの女学校への攻撃について、米軍の調査当局は、米軍が関与した可能性が高いとみていると明らかにした。調査当局はまだ最終結論には至っていない。
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Reuters bureau chief for Lebanon, Syria and Jordan.
Humeyra Pamuk is a senior foreign policy correspondent based in Washington DC. She covers the U.S. State Department, regularly traveling with U.S. Secretary of State. During her 20 years with Reuters, she has had postings in London, Dubai, Cairo and Turkey, covering everything from the Arab Spring and Syria's civil war to numerous Turkish elections and the Kurdish insurgency in the southeast. In 2017, she won the Knight-Bagehot fellowship program at Columbia University’s School of Journalism. She holds a BA in International Relations and an MA on European Union studies.