中国外相、米の圧力に「断固対抗」 協力の余地なおあるとも発言
[北京 7日 ロイター] - 中国の王毅外相兼共産党政治局員は7日、記者会見を行い、米国が今週、中国製品に対する追加関税を10%引き上げたことについて、合成麻薬フェンタニル問題に関する米国の圧力に「断固として対抗する」と述べた。
「フェンタニルの乱用は米国が解決しなければならない問題だ」と指摘。「圧力をかけられれば、中国は断固として対抗する」とした上で、中国と米国は依然として「広範な共通利益と協力の余地」を有していると述べた。
「中国を抑え込みつつ、中国と良好な関係を発展させられると考えることができる国はない」と指摘。「(米国は)親切に対し不満で報いるべきではなく、まして理由なく関税を課すべきではない」と述べ、中国政府が長年にわたりフェンタニル問題で米政府に提供してきた「さまざまな支援」に言及した。
米中のハイテク競争について「封鎖があるところに突破口があり、抑圧があるところには革新がある」と述べ強気な姿勢を示した。
<ウクライナ>
ウクライナ戦争の解決については、中国は全ての当事者が受け入れられる「公正で永続的かつ拘束力のある和平協定」を達成したいとした。「中国は関係国の意向に従って国際社会と協力し、危機の最終的解決と永続的平和の実現に向け引き続き建設的な役割を果たす用意がある」と述べた。
中国とロシアの関係は「激動する世界において不変のものであり、地政学的ゲームの変数ではない」とした。
欧州との関係については「中国は依然として欧州に信頼を寄せており、欧州はなお中国の信頼できるパートナーになれると信じている」と語った。
アナリストによると、中国はウクライナ問題などを巡って米欧関係に亀裂が生じているのを機に、欧州との関係を強化したい考えだ。
<グローバルサウス>
王氏はまた、グローバルサウス(新興国・途上国)に対し、米国の圧力に直面しながらも、「グローバル・ガバナンスにおけるわれわれの代表権と発言力を向上させ続ける」よう呼びかけた。
「全ての国が自国の優先事項を強調し、強さと地位を信じるならば、世界は弱肉強食の時代に逆戻りし、弱小国がその矢面に立たされ、国際的なルールと秩序は深刻な影響を受けるだろう」と述べた。
「大国は国際的な義務を負い、大国としての責任を果たすべきだ。利益至上主義であってはならないし、弱い者いじめをしてはならない」とし、暗に米国を非難した。
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Laurie Chen is a China Correspondent at Reuters' Beijing bureau, covering politics and general news. Before joining Reuters, she reported on China for six years at Agence France-Presse and the South China Morning Post in Hong Kong. She speaks fluent Mandarin.