見分けられる? NASA火星探査車の“頭”を比べてみよう【今日の宇宙画像】

【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)

(引用元:NASA)

こちらは、NASA=アメリカ航空宇宙局の火星探査車「キュリオシティ(Curiosity)」と「パーシビアランス(Perseverance)」の車体のうち、複数のカメラやセンサーが搭載されているリモートセンシングマストの頂部、NASAが“頭(Head)”と表現することもある部分を拡大した画像です。

ここで問題です!

どちらがキュリオシティの“頭”でどちらがパーシビアランスの“頭”か、見分けられますか?

正解は……

左がキュリオシティ 右がパーシビアランス

この画像は、NASAが公開しているキュリオシティとパーシビアランスのセルフィー(自撮り)の一部をトリミングしたものです。 キュリオシティのセルフィーは2021年3月、パーシビアランスのセルフィーは2025年5月に撮影されたもので、どちらも複数の画像を合成して作成されています。

【▲ 2021年3月に撮影されたNASAの火星探査車「キュリオシティ(Curiosity)」のセルフィー(Credit: NASA/JPL-Caltech/MSSS)】 【▲ 2025年5月に撮影されたNASAの火星探査車「パーシビアランス(Perseverance)」のセルフィー(Credit: NASA/JPL-Caltech/MSSS)】

基本的な設計が同じキュリオシティとパーシビアランス。そんな2台の“頭”を見分けるポイントのひとつは、白い箱型構造の下に並んだ1組のカメラです。

どちらも四角い開口部を備えたカメラが2台ずつ並んでいますが、よく見ると、キュリオシティは開口部のサイズが左右で異なり、パーシビアランスは同じサイズであることがわかります。

このカメラ、キュリオシティのほうは「Mastcam」、パーシビアランスのほうは「Mastcam-Z」と呼ばれています。Mastcamは焦点距離が異なる望遠カメラと広角カメラで構成されていますが、Mastcam-Zは同じ設計のズーム対応カメラ2台で構成されているという違いがあります。

そのため、キュリオシティは開口部のサイズが違い、パーシビアランスは開口部のサイズが揃っているというわけです。

【▲ 打ち上げ前に撮影されたNASAの火星探査車「キュリオシティ(Curiosity)」のリモートセンシングマスト頂部(Credit: NASA/JPL-Caltech)】 【▲ 打ち上げ前に撮影されたNASAの火星探査車「パーシビアランス(Perseverance)」のリモートセンシングマスト頂部(Credit: NASA/JPL-Caltech)】

また、MastcamやMastcam-Zの外側に配置されているナビゲーション用のカメラ「NavCam」の数と形にも違いがあります。キュリオシティのNavCamはバックアップの1組を含む合計4台ですが、パーシビアランスは合計2台。ここに注目しても見分けやすいでしょう。

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部

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