今のところ原因未特定 同じ発生源で繰り返し発生するガンマ線バーストが初めて検出された

1960年代に初めて検出されたガンマ線バースト(Gamma-ray Burst: GRB)は、短時間で爆発的なガンマ線が放出される現象です。 今日の宇宙画像 これまでに検出されたGRBの継続時間は長くても数時間程度でしたが、1日の間に同じ発生源で繰り返し発生したガンマ線バーストが初めて検出されたとする研究成果を、ラドバウド大学(オランダ)のAndrew Levanさんをはじめとする研究チームが発表しました。 研究に参加したユニバーシティ・カレッジ・ダブリンのAntonio Martin-Carrilloが「この50年間に観測されたどのGRBとも異なります」とコメントするほどで、発生した原因はまだ突き止められていません。

今回の研究対象となったのは、NASA=アメリカ航空宇宙局のガンマ線観測衛星「Fermi(フェルミ)」が世界時2025年7月2日に検出したガンマ線バーストです。 Fermiはこの日、同じ発生源からのガンマ線バーストを数時間で3回検出しました。このGRBは発生順に「GRB 250702D」「GRB 250702B」「GRB 250702E」と呼ばれていますが、本記事では論文にならい、以降は便宜上3つをまとめて「GRB 250702B」と表記します。 他の観測データをチェックしてみると、CAS=中国科学院の天文観測衛星「天関(Einstein Probe=アインシュタインプローブ)」が、GRB 250702Bに関連するX線の放射を「EP 250702a」として検出していたことがわかりました。 天関のデータを分析したところ、EP 250702aは前日の2025年7月1日の時点ですでにX線で検出可能だったことが明らかになりました。つまり、この発生源はFermiが検出した一連のガンマ線バーストも含めて、1日ほどの期間にわたって活動を示していたことになります。 また、発生源の概略的な方向は天の川銀河で星が密集している場所だったことから、当初GRB 250702Bは天の川銀河の中で発生したと考えられていました。 しかし、ESO=ヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡(VLT)や、ハッブル宇宙望遠鏡(HST)による追加観測の結果、GRB 250702Bは数十億光年離れた別の銀河で発生した可能性が高くなっています。

sorae 宇宙へのポータルサイト
*******
****************************************************************************
*******
****************************************************************************

関連記事: