戦後80年を「キャンセルをやめる年」に
あけましておめでとうございます。去年の師走に「2020年代の前半」が終わるという観点で、私たちの生きてきた時代を振り返るインタビューを出していただいたのですが、いよいよ2020年代も後半戦です。
一方で2025年は、日本人にとって戦後80年であり、昭和100年でもある。8月の半ばまでは、にわかに「歴史に学ぶことが大切だ」とモットモラシーお喋りを始める人が大量発生し、その後に急減することが予想されます。
天気や景気の長期予報風にいうと、一時的な歴史のインフレが今年の前半を襲う見込みです。その後の暴落が確実な怪しい物件に手を出さないために、今日はあらかじめ歴史のニセモノの見分け方をご教示しましょう。
まず、その人の①新型コロナウィルス禍での言動をチェックしましょう。戦後最も「戦時下」に似た社会が出現し、実際にウィルスとの「戦争だ!」と煽られた2020年代の前半、そうした戦時体制の再来は「おかしいよ」と声をあげなかった人が25年に何を言おうと、ニセモノです。
2020年の5月、最初の緊急事態宣言が明ける前から、ホンモノは以下のように歴史を語っていました。5年も経ってから「戦争の歴史に学ぼう」と言い出す後出しジャンケンに、なにひとつ相手にする値打ちはありません。
次に、後出しも後出しで②かつての歴史の語りに対して「道徳的な優位」を誇る論調に気をつけましょう。従来の歴史にはあれやこれやの要素が欠けており、「限界がある」からダメなもので、そうした意識の高い指摘のできる私カッケー!! みたいな人たちは、ニセモノです。
「完璧な時代」なるものがあり得ない以上、どんな時代にも当時の社会に応じた限界があり、それはいまという時代も同じなのです。なぜ、あたかも「いま」だけは限界がないかのように振る舞い、過去を裁断できるのか?
それは本人が歴史を生きていない、つまりニセモノだからです。昨年末、クリスマスの記事を読んだ方から「ライト兄弟の飛行機に、『性能が悪かったから無価値』とケチをつけるような歴史観が増えましたね」とのコメントをいただきましたが、まさしく然りですね。
同じ記事に対して、去年もシラスのチャンネルでお世話になった翼駿馬(ホルダンモリ)さんが、嬉しい応答を書いてくれました。実は採り上げられてる曲、CDで持ってるのですが、ここまで詳しくは知りませんでした。
かつて、南アフリカには人種隔離政策「アパルトヘイト」により、白人と非白人が法的に差別されていた。 (中 略)
サンシティは、南アフリカの高級リゾートで、当時は白人専用だった。このサンシティでのライブは、高額のギャランティが支払われるということで、その金に惹きつけられたアーティストがこぞって公演をしていた。
南アフリカの人種隔離政策に疑問を抱いていたSteve Van Zandtは、Peter Gabrielの”Biko”を聴いてインスパイアされ、「オレはサンシティでなんかプレイしないぜ!」という極めてストレートな歌詞の曲を書いたのである。