【米PCE統計】9月利下げ有力、積極緩和は困難-市場関係者の見方

宮井伸明、西前明子、大塚美佳、松井玲

7月の米個人消費支出(PCE)統計では、消費支出が4カ月で最大の伸びとなった。根強いインフレの中でも底堅い需要が続いていることが示唆された。PCEコア価格指数は前月比0.3%上昇となり、市場予想と一致した。前年同月比では2.9%上昇。こちらも予想と一致。前月は2.8%上昇だった。

  PCE統計に関する市場関係者のコメントは以下の通り。

◎eToro(イートロ)のブレット・ケンウェル氏:

インフレ率は全体的に上昇した。米連邦公開市場委員会(FOMC)は労働市場を支援するために利下げに動く可能性が高いが、インフレが上昇している中では、望むほど迅速かつ積極的に動くのは難しいかもしれない。

良いニュースとしては、予想通りの数値だったことで現状維持が続く可能性が高く、9月利下げの可能性が残る点だ。一方で悪いニュースはインフレがじわじわと上昇を続けていることであり、これは連邦準備制度理事会(FRB)が本来望むような利下げ環境とは言えない。

インフレ加速が続いていることは、今後FRBの判断を複雑にする可能性がある。ただし現時点では、予想通りのPCE統計で9月の利下げに対する自信は強まるだろう。強い雇用統計が出ない限り、FOMCによる9月利下げ計画を狂わせるようなデータは見当たらないだろう。

◎ウェルズ・ファーゴ・インベストメント・インスティテュートのジェニファー・ティマーマン氏:

7月の個人所得と支出が堅調な伸びを示し、経済成長の底堅さをさらに印象づけた。一方、PCE価格指数は根強いインフレ圧力を示した。これらを総合すると、今後数カ月間にFRBが積極的な利下げを行う必要性には疑問が生じる。

それでも、FRB内でハト派的な発言が強まっていることを踏まえると、9月5日発表の雇用統計が極めて強い内容とならない限り、9月FOMC会合での利下げは有力だとみている。

◎モルガン・スタンレー・ウェルス・マネジメントのエレン・ゼントナー氏:

FRBは利下げに道を開いたが、その度合いは労働市場の弱さがインフレ上昇よりも大きなリスクと映り続けるかどうかに左右される。PCE価格指数が予想通りの結果となったことで、焦点は雇用市場に移った。現時点では9月の利下げが有力との見方がなお優勢だ。

◎トレードステーションのデービッド・ラッセル氏:

9月の利下げ路線を変えるものではないが、その後については不確実性が高い。消費は堅調で、コアインフレはFRBの目標を大きく上回っている。関税の影響はいくらかあるかもしれないが、懸念されていたインフレ加速の兆しはまだ確認されていない。個人所得や消費の力強さは、将来への不安を抱えつつも、消費者が依然として健全であることを示唆している。

◎グローバルの投資戦略責任者、スコット・ヘルフスタイン氏:

米連邦準備制度理事会(FRB)が重視するインフレ指標は予想通りとなり、9月利下げに道を開く可能性が高まった。ただ、インフレの主な要因は住宅と公共料金、関税だ。

原題:Stocks Fall and US Yields Rise on Sticky Inflation: Markets Wrap(抜粋)

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