エベレストすら低い…太陽系に実在する「高すぎる山TOP4」(宇宙ヤバイchキャベチ)

Credit:NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS

どうも、宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。今回は「太陽系に実在する高い山TOP4」をテーマで解説していきます。

地球上にはたくさんの山が存在します。

エベレストのように標高が8,000mを超える非常に高い山もあります。

ですが視野を地球の外にまで広げてみると、太陽系内にはさらにずっと大きな山がいくつも存在しています。

今回はそれらを紹介していきます。

●「山の高さ」の定義を決める

地球では一般的に海面を基準とした高さ(海抜)で山の高さを表しますが、多くの天体には液体の海がありません。

そこで本動画では「山麓から見た頂上の高さ(比高)」を山の高さとします。

この定義だと、地球で最大の山はハワイのマウナケアになります。海抜は4,205mですが、海底の麓から測ると約10,200mになります。

●第4位:イオ ボオサウレ山脈(Boösaule Montes)

Credit:NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS

太陽系で4番目に高い山は、木星の衛星イオにあるボオサウレ山脈です。

イオは木星の周囲を約42万kmで公転しており、地球から見た月の距離と大きくは変わりません。

木星は地球の約318倍の質量を持ち、表面付近の重力も地球の約2.5倍と強いため、イオは強い潮汐力を受け続けます。

その結果、内部がこね回されるように加熱され、非常に活発な火山活動が起きています。

ボオサウレ山脈の最高峰は麓から約17.5kmに達すると見積もられています。

地球では考えにくいスケールの山です。

●第3位:イアペトゥス 赤道上の尾根(Equatorial Ridge)

Credit:NASA/JPL/Space Science Institute

第3位は、土星の衛星イアペトゥスに延々と続く赤道上の尾根です。

イアペトゥスは土星から約356万kmの軌道を回る、土星で3番目に大きい衛星です。

赤道に沿って長さ約1,300kmにわたる連続的な山脈が走り、場所によっては幅がおよそ100km、周囲の平原からの比高が20kmを超える峰もあります。

形成起源については、かつての高速自転の名残や、環や小衛星起源物質の落下堆積など諸説がありますが、いまだ決着していません。

●第2位:火星 オリンポス山(Olympus Mons)

Credit:NASA/JPL

第2位は火星最大の火山、オリンポス山です。

火星は地球の約半分の半径しかない小型の岩石惑星ですが、オリンポス山のスケールは桁違いです。

麓から山頂までの比高は約21.9kmと測定され、裾野の直径はおよそ600kmに達します。

山頂部には直径約80kmのカルデラ群が重なり、外縁には最大で6〜8kmの崖(スカープ)が取り巻きます。

火星には地球のようなプレート運動がないため、同じ場所に長期的にマグマが供給され続け、巨大な盾状火山が成長したと考えられています。

●第1位:小惑星ベスタ レアシルヴィア盆地の中央丘

Credit:NASA/JPL-Caltech/UCLA/MPS/DLR/IDA

第1位は小惑星帯のベスタ南極域にある巨大衝突盆地レアシルヴィアの中央丘です。

ベスタは平均直径約525kmの大きさですが、南極側に直径約505kmの巨大クレーターが刻まれており、その中心にそびえる中央丘は麓から約19〜22kmと推定されています。

衝突で形成された盆地の中央隆起としては規格外の高さで、太陽系で最も高い山の有力候補とされています。

https://ntrs.nasa.gov/citations/20030012598https://www.jpl.nasa.gov/news/saturns-moon-iapetus-shows-a-bulging-waistline/https://agupubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1029/2002JE002031https://science.nasa.gov/mission/dawn/science/vesta/

宇宙系YouTuber

YouTubeで登録者数29万人「宇宙ヤバイch」で最新ニュースなどを解説しています。/23歳で北海道大学経済学部に入学→29歳で卒業/書籍「宇宙ヤバイ スケール桁違いの天文学」好評発売中/北海道札幌市でキャベチによる生解説が聞けるバー「宇宙ヤbar」営業中/好きな天体は海王星とブラックホール!

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