「誰をどうやって狙うか台本があったのでは」心理学者が分析する西成・児童殺人未遂容疑者の心理(関西テレビ)
東京都・東村山市。児童を無差別に殺害しようとした男の自宅に、警察が捜索に入りました。 大阪市西成区で、下校中の小学生が狙われたのは5月1日。児童7人が車ではねられ、うち2人が重傷を負いました。 車を運転していたのは無職の矢沢勇希容疑者(28)。殺人未遂の疑いで現行犯逮捕されました。 【矢沢容疑者】「全てが嫌になったから、車で突っ込み、数人の小学生をひき殺そうとした」 矢沢容疑者が乗っていた車はレンタカーでした。 東京で放射線技師として病院に勤務するも、4月下旬に退職しました。 矢沢容疑者は調べに対しは、「苦労せずに生きている人が嫌だった」という趣旨の供述をしているということです。
一体、なぜ無差別に児童を殺害しようとしたのでしょうか。 【関西国際大学 中山誠教授】「大量に小学生を殺して、世の中を驚かして、世間の注目を自分に集める。自己愛が強くて自分の存在を見せつけたい」 こう話すのは静岡県警科捜研出身の中山誠教授。犯罪心理学の専門家が推理する、矢沢容疑者の心理とは…。 【関西国際大学 中山誠教授】「いつの時点で誰をどうやって狙うか。ある程度、犯行スクリプト、台本ですよね。車ですから、はねた後に逃走することができたと思います」 【関西国際大学 中山誠教授】「ところが逃走もしない。多分自分の免許証を出してレンタカーを借りているから、逃げたとしても身元が分かって手配されてしまう。そこら辺を考えると犯行スクリプトは、もう“はねた時点”で終わりじゃないか」 事件から1週間。警察は家宅捜索でノートや日記などを押収。大阪に来て児童を狙った卑劣な犯行の動機は明らかになるのでしょうか。
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「newsランナー」コメンテーターの菊地幸夫弁護士は「自分で命を絶つということも考えているかも」と矢沢容疑者の心理について見解を示しました。 【菊地幸夫弁護士】「『何人か小学生を殺す』と言っているということですから、もしかすると、死刑になって、自殺といいますか、自分で命を絶つということも考えているのかもしれません」 【菊地幸夫弁護士】「ただ不幸中の幸いだと思いますが、本当にひき殺そうと思えば、もっとアクセルを踏んで高速で突っ込むことになる。それが確か1週前に『ふらふらと車が来た』というお子さんのインタビューもあったと思うのですけども、逡巡(しゅんじゅん:ためらうこと)をしていたんじゃないのか。『やっていいのか、この子たちに…』そんな心理が見て取れるかなと思います」
8日に家宅捜索が行われましたが、今後の捜査のポイントはどういうところになるのでしょうか。 【菊地幸夫弁護士】「日記とかノートといったものが押収されているという情報もあるということですが、『なぜ大阪なのか』」 【菊地幸夫弁護士】「あと心理的な問題で、責任能力を調べるための鑑定留置がこの先あるかもしれないので、それに備えてどういう生活歴、考え方、日常を送ってきたのか、というようなところを中心に、捜査機関は調べているのかなと思います」 まだ明らかになっていないことが多くあり、捜査の進展が待たれるところです。 (関西テレビ「newsランナー」 2025年5月8日放送)
関西テレビ