中国とカナダ、関税引き下げで合意 戦略的協力推進へ
[北京 16日 ロイター] - 中国を訪問中のカナダのカーニー首相は16日、電気自動車(EV)とキャノーラ(菜種)への関税を引き下げる初期の貿易協定を締結したと明らかにした。両国は貿易障壁を撤廃し、新たな戦略的関係の構築で合意した。
カーニー氏は、カナダは当初、最恵国待遇に基づき、最大4万9000台の中国製EVを6.1%の関税率で輸入すると述べた。期間は示さなかった。
「これで最近の貿易摩擦以前の水準に戻る。カナダ国民にとってはるかに多くのものを約束する合意に基づくものだ」と記者団に語った。
トルドー前政権は2024年に中国から輸入するEVに100%の関税をかけた。政府の補助金の恩恵を受けている中国メーカーが世界市場で不当な優位性を確保していると説明していた。
カーニー氏は「カナダが独自に競争力あるEV産業を構築するには、革新的なパートナーから学び、そのサプライチェーンにアクセスし、地元の需要を高める必要がある」と述べた。
クリーンエネルギーの貯蔵・生産における中国とのより強力なパートナーシップが新たな投資を促進すると指摘した。
前政権の措置に対抗して中国が関税率を引き上げたキャノーラについては、合意に基づき3月1日までに現行の84%から15%程度に下げられるとの見通しを示した。
記者団から米国との関係との比較で対中関係について聞かれたカーニー氏は「より予測可能だ」と述べた。
習氏ら中国指導部と会談し、両国間の相違点だけでなく協力分野についても話し合ったとし、「そうした率直で一貫性のある対話がより予測可能で効果的な関係につながる」と語った。
その一方で米国との関係は「中国との関係よりもはるかに多面的で、はるかに深く、はるかに広い」と述べた。
<戦略的パートナーシップ>
カーニー氏は16日、習近平国家主席と会談し、両国は新たな戦略的パートナーシップに向けて前進しており、互いの強みを生かすことで「歴史的」利益を得ることができると述べた。
「分断の時代にこの新たな戦略的パートナーシップを開始することが重要だ」とし、農業、農業食品、エネルギー、金融の分野で「即座に持続的な進歩を遂げることができると信じている」と述べた。
習氏は「歴史、両国民、そして世界に対する責任感を持って、中国とカナダの関係をさらに改善するためにあなたと協力し続けることを楽しみにしている」と応じた。
カナダはトランプ米大統領がカナダからの一部輸入品に関税を課し、同国を米国の「51番目の州」などと呼んだことを受け、世界2位の経済大国である中国との関係を強化しようとしている。
同様に米関税措置の打撃を受けている中国も、主要7カ国(G7)などとの協力に意欲を見せている。
清華大学戦略・安全研究センターの孫成昊研究 員は、カナダは米国の中核的同盟国であり、米国から離れることはないとしつつ、もしカナダがより現実的で自律的な対中経済政策をとれば、中国としてはそれを、米主導のデカップリング (分断)が必然的なものでも、米国の最も親しいパートナーの間で普遍的に受け入れられているものでもないことの証拠として指摘することができると述べた。
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筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。