「はやぶさ」が持ち帰った小惑星リュウグウ&イトカワの石 広島で展示始まる 太陽系の謎に迫る
ツイセキです。 生命の起源に迫る貴重な実物の展示が広島市内で始まりました。
【来館した2歳児は…】<5-Daysこども文化科学館 広島市中区> 「え!持ってこれたん?!」 2歳の子どもが見つめるショーケース内に展示された小さな“石”…。 <2020年12月> 【加藤キャスター】 「あ、これかな、これですね」 生命の起源を解明するため日本の小惑星探査機「はやぶさ2」が地球からおよそ3億キロ離れた直径900mの小惑星「リュウグウ」で採取し地球に届けた石です。
きょう11日 【野川キャスター】 「こども文化科学館には楽しい展示がたくさんありますが、こちらの部屋の中ありました!小惑星リュウグウのサンプルということなんですが、顕微鏡で拡大してこの大きさということで、わかりやすいものがこちらレプリカということなんですが、実際に近くで見るとちょっと表面は凸凹していますし、炭っぽい感じがしますね真っ黒です」 実は、「はやぶさ2」が持ち帰った実物試料と2010年に帰還し社会現象にもなった「はやぶさ」が持ち帰った小惑星イトカワの実物試料が同時に展示されることは珍しく県内でも初めてです。
【来館者は】 「プロジェクトしている人たちの情熱とかに興味がある」 【5-Daysこども文化科学館・主任学芸員 松本佳也さん】 「見たい人絶対たくさんいるので何としてもこれは見ていただきたいという思いで(企画した)」 これまでの分析でリュウグウは見た目だけでなく含まれている有機物も多くが “真っ黒”で私たちの起源が“黒い炭”だったのでは、という新たな説も加わっていますが 「はやぶさ2」プロジェクトに初期から関わった広島大学の薮田教授は…。 【広島大学・薮田ひかる教授】 「生命の起源と言うと、いろいろな考え方があるが、主要な物質、海と大気と炭素というあたりを考えたときにその答えは見えてきたと思う。リュウグウのような炭素質小惑星がもたらしたのではないかと」 そして今回の実物展示で注目してほしいポイントは…。 【広島大学・薮田ひかる教授】 「その物質は46億年前に太陽系を作った物質なんですよね。それが私たちの目の前にあるっていうのは、非常になんか不思議なことで地球の石と比べると、あんなに真っ黒ののっぺりとした石は存在しないですから、こんなに黒いのかとか、こういう黒いのは大昔の宇宙で当たり前のようにできていたということとか見た目からは分からないが密度も違う。ぜひサイエンスの面白さに触れていただいて、より多くの次世代の方たちがこの道に進んでもらえたら嬉しい」 小惑星リュウグウとイトカワの実物試料展示は今月20日まで行われます。
<スタジオ> ここから取材した野川キャスターに伝えてもらいます 【野川キャスター】 私たちの生命の起源に繋がるようなその手がかりになるかもしれない。小さいけれども大きな意味を持つカケラが広島で見られるということですが、探査機の「はやぶさ2」の今後のスケジュールです。 2026年 小惑星トリフネ(直径500mほど)の近くを通る → 一瞬で通り過ぎてしまうような速さで観測にチャレンジ 2031年 小惑星1998KY26(直径30mほど)に到着 → 新たな探査技術の獲得へ また新しい情報が入ってくるってなると、この頃には若い研究者なんかもねワクワクしてるかもしれません。
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