Appleの開発者向けイベント「WWDC2025」で発表が予想されているiOSやmacOSの大規模改修&新機能などまとめ

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Appleは現地時間の2025年6月9日から開発者向け会議の「WWDC25」を開催予定で、主な発表が行われる基調講演は日本時間の6月10日2時から配信される予定です。この中で発表されると目される新OSや新機能のウワサをまとめてみました。

Apple WWDC 2025 Preview: iOS 26, macOS 26, New AI Features, iPadOS 26 Redesigns - Bloomberg

https://www.bloomberg.com/news/articles/2025-06-06/apple-wwdc-2025-preview-ios-26-macos-26-new-ai-features-ipados-26-redesigns

WWDC 2025: What to expect from this year's conference | TechCrunch

https://techcrunch.com/2025/06/08/wwdc-2025-what-to-expect-from-this-years-conference/ Apple関連の情報に精通したBloombergのマーク・ガーマン記者によると、WWDC25でAppleはAI分野での遅れを払拭するような発表は期待できないとのこと。WWDC25において、AppleはOSのデザインおよび生産性の向上に焦点を当てることになる模様。

AppleはWWDC25において、OSのデザインを大幅にアップデートすると目されており、デザイン変更はiOSやmacOSだけでなくCarPlayを含むすべてのOSに採用されると報じられています。

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Appleは新しいデザイン言語の「Solarium」をベースにUIデザインを改修予定で、Apple Vison ProのOSであるvisionOSをベースとした、透明素材やガラスのような素材を使用したデザインになるとのこと。ガーマン記者はツールバーとタブバーのデザインが変わり、アプリアイコンやその他のボタンも再設計されることになるだろうと予想しています。また、ウィジェットも新しいUIデザインに合わせて再設計されるようですが、機能自体は従来通りのものとなるそうです。なお、この新しいデザイン言語はiPhone20周年を記念して開発されたものとも報じられています。

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デザイン変更だけでなく命名規則も変更するのではと報じられています。命名規則はこれまでのバージョン番号ではなく、リリース年の次の年の数字が付けられることになると報じられているため、WWDC25ではiOS 26がリリースされることとなる模様。

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WWDC25の基調講演においてはOSのデザイン変更が発表の大部分を占めることになると目されていますが、iOSとiPadOSのコアアプリのほとんどはデザイン変更以外に全面的な改良は行われないようです。ただし、電話、Safari、カメラという主要アプリは大幅に改修される予定。 電話アプリはiPhoneリリース当初からほとんど変化がありませんが、iOS 26ではお気に入りの連絡先、最近の通話履歴、ボイスメールをひとつのスクロール可能なウィンドウにまとめた新しい表示方法を採用することになるそうです。ただし、ユーザーは従来のインターフェースと新しい表示方法を自由に切り替え可能になる模様。 Safariは見た目が大幅にアップデートされ、より透明でガラスのような見た目のアドレスバーを採用することになります。 近年、Appleは空間動画、パノラマ撮影、スローモーション撮影などさまざまな新機能をカメラアプリに追加してきましたが、その影響で既存のカメラアプリは少し使いにくくなっています。そこで、AppleはiOS 26においてシンプルさを重視してカメラアプリの刷新を目指しているそうです。 メッセージアプリもアップグレード予定で、MetaのWhatsAppをはじめとするメッセージングアプリに対抗した、アンケート作成機能や背景画像の設定機能などを搭載する予定。背景画像はデバイス間で同期され、グループチャットの背景も他ユーザーの設定したものが表示されるそうです。 さらに、macOSのプレビューアプリをiPadOSおよびiOSに初めて移行するとガーマン記者は予想しています。これによりiPadやiPhoneでPDFの管理・注釈・編集が可能となります。起動画面はPagesやKeynoteと同じスタイルで、画面上部にプレビューの名前を示す大きなロゴが表示され、その下にドキュメントオプションのギャラリーが表示されるそうです。 Apple製品ユーザー向けのゲーム特化ソーシャルネットワークのGame Centerは、Xbox風のゲームアプリに変わります。ゲームのダウンロードとApple Arcadeへのアクセスがまとめられており、アプリには「ホーム」「アーケード」「一緒に遊ぼう」「ライブラリ」「検索」という5つのタブが用意されているそうです。

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Apple Vision Proは、ドキュメントやウェブページ、自社製およびサードパーティー製アプリ内を上下に移動するための新しい方法であるアイスクロールをサポートする予定。さらに、Apple Vision ProはPlayStation VRのようなサードパーティー製ハンドコントローラーをサポートする予定です。 AppleはiPadのマルチタスクを全面的に刷新し、Macに似た操作性を実現することを計画しています。ただし、この新機能を利用するにはMagic Keyboardなどの機器が必要になる可能性があるとガーマン記者は指摘。 Apple Pencilはデジタルリードカリグラフィーペンを搭載するアップデートを受ける予定です。また、iOSとiPadOSのキーボードはアラビア語と英語を切り替えられる双方向モードに対応する予定となっています。 他にも、Appleはジムやホテル、オフィスなどひとつのデバイスで複数のワイヤレスネットワークにログインする場合に、他の自分が保有するデバイスでも自動でワイヤレスネットワークにログインできるようになる機能を計画しているとガーマン記者は指摘しています。 この他、AppleはAI戦略の中枢にあるApple Intelligenceについても新情報を発表することになるだろうとガーマン記者は指摘しています。具体的には、サードパーティー開発者がAppleの生成AI機能の基盤となる大規模言語モデル(LLM)を利用できるようになる予定。また、AppleはオンデバイスのAIモデルとクラウド上で動作するAIモデルのアップグレード版も発表する予定だそうです。 ジェン文字は2つ以上の標準絵文字を組み合わせて新しい絵文字を作成できるようになります。 また、AIを用いた通話やテキストメッセージのリアルタイム翻訳機能のリリースが計画されており、AirPodsユーザー向けにはリアルタイムで会話を翻訳する機能を準備しているそうです。 さらに、ショートカットアプリにApple Intelligenceが組み込まれることとなり、これまで以上に自由な自動化をユーザーが楽しめるようになります。 加えて、AppleはAIを用いたバッテリー消費を抑えるためのバッテリー最適化モードの導入を計画していますが、この機能は2025年秋頃発売予定のiPhone 17 Airと同時にリリースされる可能性があるそうです。これはiPhone 17 Airが薄型化によりバッテリー容量を小さくすることに対処するためと考えられます。

2024年の「iPhone 16」はApple Intelligenceが最大のセールスポイントとなり、2025年の「iPhone 17」では極薄の新しいミドルレンジモデル「iPhone Air」が登場しラインナップが刷新されるとの報道 - GIGAZINE

また、AppleはSiriなどで動作するChatGPTの代替として、GoogleのGeminiを追加することを目論んでいます。この計画は2024年から公にされてきたものですが、WWDC25ではGeminiの統合が発表される予定はないとガーマン記者は指摘しています。

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Siriのアップグレードは、最終的に個人情報やデバイス上のコンテンツへのアクセス、アプリやアプリ内機能のより正確な制御を可能にすると目されていますが、この実現はまだ遠く、WWDC25でSiriが目立った新機能を発表することは「ない」とガーマン記者は断言しています。この進化したSiriはLLM Siriと呼ばれており、少なくとも1~2年先のリリースになるようです。

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AppleのAI関連発表について、ガーマン記者は「AIによる変化は驚くほど小さく、特にGoogle、Meta、Microsoft、OpenAIによる急速なイノベーションを考えれば、業界関係者に衝撃を与える可能性は少ない」と記しました。 なお、Appleは苦戦が続くAI事業を刷新すべく、同社のAI部門にベテラン幹部のキム・ヴォラス氏を任命しています。

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Appleはカレンダーアプリを刷新し、全プラットフォームでリリースする予定です。当初は2025年中にリリース予定でしたが、記事作成時点ではiOS 27やmacOS 27といった2026年リリースのOSと同時リリースとなる見込みです。これらのアップグレードは社内で「Buttercup」や「Honeycrisp」と呼ばれている模様。 AppleはAI医師ベースのサービス(コードネームMulberry)と連携したヘルスケアアプリの全面的な刷新にも取り組んでいます。どちらもWWDC25では公開されず、早くても2026年末、Buttercupの一環としてリリースされる見込みです。 2024年、AppleはSwift Assistを発表しました。これは、Apple Intelligenceを活用してコードを補完するXcodeの機能です。しかし、AIによる幻覚などの問題により、リリースには至っていません。この解決策として、AppleはリモートまたはMacのローカルに保存されているサードパーティー製LLM(ローカライズされた言語モデル)を活用した、Xcodeの新バージョンを計画しています。Appleはすでに、Claudeの開発で知られるAI企業のAnthropicと協働し、この機能を社内で活用しているそうです。

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