ペンギンのふん、南極で地球温暖化の影響を抑える可能性-研究結果

Aaron Clark

  • ペンギンのふんはアンモニアを放出、雲の形成を促し冷却効果
  • 昨年南極の海氷面積は観測史上2番目に小さい水準を記録した

南極に生息するペンギンの群れは大気に影響を及ぼし、気候変動のインパクトを和らげる役割を果たしている可能性があることが研究で明らかになった。

  蓄積されたペンギンのふんはアンモニアを放出する。アンモニアは雲の形成を促し、太陽の熱と南極の氷・海水との間で緩衝作用を果たすことで冷却効果を生んでいるとみられる。

  昨年9月のピーク時、南極の海氷面積は、観測史上2番目に小さい水準を記録した。科学者らは海洋の温暖化が南極に及ぼす影響を指摘しており、巨大な氷床が融解し始めた場合の重大な海面上昇リスクについて警告している。

  ヘルシンキ大学の研究者で今回の研究に加わったマシュー・ボイヤー氏は研究結果について、「局地的な気候に影響を与える、生態系と大気の交換との深い結び付きを示している」と説明。「温暖化によって環境が変化すれば、連鎖的反応を引き起こす」との見方を示した。

  研究者らがアデリーペンギン6万羽の群れの風下で調査を実施したところ、アンモニアの濃度は基準値の1000倍に達した。研究は「コミュニケーションズ・アース・アンド・エンバイロメント」誌で23日発表された。

原題:Penguin Poop Could Limit Global Warming’s Impact on Antarctica(抜粋)

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