【10年前の今日】有言実行。中国の大気汚染、10年でかなりマシに

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この記事は「ギズモード・タイムマシン」──すこし前の今日って、何があったんだろう?未来から観察してみたら、懐かしさだけでなく、意外な発見だってあるかもしれません。

本日のテックな答え合わせ

予言的中度:★★★★

ロストテクノロジー度:★

再評価度:★★★

やると決めたら動きは早いのが中国。

10年前といえば、中国で大気汚染がすさまじい猛威を振るっていた時期でした。首都・北京は日中でもグレーがかった霧のようなスモッグが立ち込め、外出するときもガスマスクみたいなマスクが手離せないという状況。健康被害もかなり出ていたと聞いています。

そんなきっかけもあってか、2015年に開催された地球温暖化対策についての国際会議「COP21」で、中国はグリーンエネルギーへのシフトを宣言しています。その目標は「2030年に電力の20%を再エネに」「2020年に二酸化炭素の排出量を大削減」というもの。

その後、どうなったかと言うと。

中国は予定を6年も前倒しして、2024年に20%の電力を再エネに置き換えたと報じられています。大気汚染も目に見えるレベルではなくなり、マスク無しでも外出できるようになりました。いまや太陽発電パネルやEVで世界をリードする存在にまでなっています。

一方で、二酸化酸素の排出量そのものは、COP21で掲げた削減量には達していません。スモッグが目だたなくなったから、気が緩んだの...?

今日の記事:口約束じゃダメ…中国、クリーンエネルギーで本気の大気汚染対策を公言中

掲載日:2015年12月4日

著者:湯木進悟

(以下、元記事を再編集のうえ掲載します)

Photo: testing/ Shutterstock.com

一刻も早い実施を望みます……。

このところ、中国の北京では、史上最悪レベルの大気汚染が続いていることが繰り返し伝えられていますよね。微小粒子状物質(PM2.5)の濃度は、とっくに環境基準を超えてしまっています。厚いスモッグが空一面を覆うなか、市民には外出を控えるように呼びかけがなされていますよ。

毎年のように深刻な大気汚染に見舞われて、もはや抜本的な対策なしでは不安が募るばかり。なんといっても、中国の二酸化炭素排出量は、米国を抜いて断トツの世界トップとなっていますからね。

折しも、フランスのパリでは、地球温暖化対策について話し合う国際会議「COP21」が開催中。世界196カ国の代表者が集う同サミットにて、中国は、風力や太陽光発電など、クリーンエネルギーへの大胆なシフトを公言しましたよ! なんでも2030年までに、国全体の電力の20%を、再生可能エネルギーのみでまかなう計画が打ち出されていますね。

中国の大気汚染の主な原因としては、石炭の燃焼があがっており、地球温暖化を加速させるばかりか、多くの市民の呼吸器系疾患の増加が懸念されています。しかしながら、新たに中国政府は、火力発電所からの二酸化炭素排出量を、2020年までに年間1億8000万トン削減する目標を明らかにしています。また、電力事業に絡む排出量を、2020年までに全体で60%削減すると発表。米国を上回るスピードで環境対策を進める意欲を示しましたよ。

COP21の成果が、どれほどのものになるのかは定かではありません。とはいえ、こうした国際会議が、二酸化炭素排出大国へ、抜本的な対策を迫るプレッシャーをかけていることは間違いないでしょう。なお、目標通りに本当に対策が進むのかは疑問ですけど、中国の代表者は、富裕層が環境保護に対して、もっと真剣に取り組んでくれることがカギになると説明したんだとか。新計画が絵に描いた餅で終わらないよう、さらなる資金面での支援も要求しているようですね。

source: The Guardian

Maddie Stone - Gizmodo US[原文

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