トランプ政権の「暴力装置」ICEは、選挙操作も狙いだった(ニューズウィーク日本版)
米国司法長官のパム・ボンディは、ミネソタ州知事ティム・ウォルツに宛てた書簡で、連邦移民関税執行局(ICE)がミネアポリスからの部隊縮小を検討する前に、州として3つの要求に応じるよう求めた。その中には、有権者名簿の提出も含まれている。 【検証動画】プレッティの射殺は正当防衛だったのか この書簡でボンディは、トランプ政権による移民強制執行に対して起きている混乱について、州と地元の指導者たちの責任を指摘。「法の支配を回復できるのはウォルツ知事しかいない」と述べた。 この書簡が送られたのは、連邦の移民捜査中に米国国境警備隊の職員がICU看護師のアレックス・ジェフリー・プレッティ(37)を射殺した後のことだった。約3週間前には、同じミネアポリスで3人の子どもを持つ母親レニー・グッド(37)が移民当局の職員に射殺されており、プレッティは2人目の犠牲者となった。 この2件の致命的な事件により、大規模な抗議と非難が全米に広がった。どちらの事件も、連邦側と州側で説明が食い違い、現場の市民が撮影した映像がさらなる疑問と批判を呼んでいる。
連邦当局は、プレッティが激しく抵抗したと主張し、クリスティ・ノーム国土安全保障長官は「正当防衛の射撃だった」と説明。一方でウォルツ知事はこれを「でたらめ」で「嘘」と断じた。 この射殺事件を受けて、米議会上院の民主党リーダー、チャック・シューマーが国土安全保障省への予算案を阻止する構えを見せたことで、政府機関閉鎖の可能性も急上昇している。 ボンディ司法長官の書簡には、3つの要求が明記されていた。 1)ミネソタ州の有権者登録情報を司法省に提出すること 2)州が定める「サンクチュアリ政策(移民保護方針)」を撤廃すること 3)メディケイド(低所得者向け医療保険)および食品・栄養支援プログラムに関する記録を共有すること ボンディは、ICE職員への暴力行為が1300%増加し、連邦職員への車両による攻撃が3200%増加したという数字を挙げ、こうした対応の正当性を主張した。 さらに、ミネソタ州の政治家たちによる発言が暴力を煽っていると非難。「州関係者は、米国民と法の支配を守るために命を懸けている職員たちを支持していない」と述べた。