モーターだけで73km走る! 電動化されたトヨタ「ヴェルファイア」は広くて静かで快適!! 快適性重視するなら「PHEV一択」です
トヨタの超人気ミニバン「アルファード」と「ヴェルファイア」のパワートレインに、PHEV(プラグインハイブリッド)が追加されました。今回はそのうち「ヴェルファイア エグゼクティブラウンジ プラグインハイブリッド」に試乗。PHEVの魅力を体験してみました。
実は今、PHEVの販売台数は世界的に増加傾向にあります。
ヨーロッパは少し前まで“BEV(電気自動車)一色”というムードでしたが、ここへきてそれが弱まり、代わりにHEV(ハイブリッド)やPHEVの販売が伸びています。
一方“BEVじゃなければクルマじゃない”というくらいBEV化が著しかった中国沿岸部でも、PHEVの販売が伸びています。BEVのイメージが強く、世界各地で飛ぶ鳥を落とす勢いの中国メーカー・BYDでも、エンジン搭載車、特にPHEVの販売ボリュームが増加しているのです。
欧州では一般的に、BEVの販売台数にPHEVをカウントしており、PHEVでもBEVに近い優遇を受けられます。同様に中国も、PHEVは“新エネルギー車”に含まれており、補助金の対象、もしくは登録制限の除外となります。こうした優遇措置も、PHEVの販売が世界的に伸びている要因といえるでしょう。
PHEVは、外部から充電可能な大容量バッテリーを搭載するHEV、と考えればいいでしょう。“外部から充電可能”というのは、充電器やコンセントにクルマにつなぎ、バッテリーに電気を蓄えられることを意味します。
そのメリットは、エンジンが停止した状態でのモーターだけで走れる距離が、HEVより格段に長いこと。新しいPHEVは、カタログスペックにおける“BEV走行距離”が100km前後のモデルが一般的となっています。
もちろん、エンジンが停止している状態では、走行中であっても燃料を消費しません。つまり、多くの人にとって日常的に充電することを前提にすれば、PHEVは普段の行動範囲ならば燃料を消費せずに走れると考えていいでしょう。
また、契約プラン次第ではありますが、自宅などで充電すればエネルギーコストを安く抑えられるのも魅力的。家庭や企業などが設置している普通充電器を使う場合、同じ距離を燃料を燃やして走る場合に比べてローコストで済みます(公共の急速充電器を使う場合はさほど安くありません)。
一方、PHEVのデメリットは、エンジン車やHEVに比べて車両価格が高いこと。PHEVは大きなバッテリーを搭載しているのが特徴ですが、バッテリーはまだまだ高価なので、大容量化すればするほど車両価格へダイレクトに跳ね返ります。同じ車種でもPHEVの方が高額なのは避けようがありません。
またPHEVは、外部充電せず通常のHEVと同じように使うこともできますが、その際はエネルギーロスが大きい分、HEVより燃費が悪くなりがち。そのため、自宅などに充電環境がない人にとっては、宝の持ち腐れとなってしまいます。
●ルックスや装備面でのHEVとの違いはごくわずか
さて、そんなPHEVの波が、高級ミニバンのカテゴリーにも押し寄せてきました。トヨタ「アルファード」と「ヴェルファイア」のパワートレイン・ラインナップにPHEVが加わったのです。
「アルファード」と「ヴェルファイア」のPHEVは、HEVと同様、2.4リッターガソリンエンジンにモーターを組み合わせたもの。ただし、前輪駆動車も選べるHEVに対し、PHEVは4WDのみの設定となります。
効率面での最適化などから、エンジンの最高出力や最大トルクはHEV(190ps/236Nm)に対して177ps/219Nmとダウンしていますが、モーターの出力はフロントが182psでリアは54psと、どちらも共通です。
同じトヨタ車でも、「RAV4」や「ハリアー」、「クラウン・スポーツ」などは、HEVよりPHEVの方がモーター出力が高められていますが、「アルファード」と「ヴェルファイア」のPHEVはそうした設定ではないのが面白いところです。
スタイリングは、PHEVだからといって特別な演出など見られません。リアゲートに「PHEV」のエンブレムが貼られるほかは、「アルファード」ではタイヤサイズが17インチのHEVから19インチへと2インチアップに。一方、HEVでも19インチを履く「ヴェルファイア」は、ホイールの塗装がスパッタリング仕様の、よりきらびやかなタイプになるのが識別点です。
そして、装備面の違いもごくわずか。同じグレードどうし(PHEVは最上級の「エグゼクティブラウンジ」だけの設定)で比べると、PHEVはステアリングに添えられる木目が“本杢”となり、HEVでは3人がけができるサードシートがPHEVでは2名がけとなる程度です。
ちなみに、サードシートの設定変更の理由を開発者にたずねると「クルマのキャラクターに合わせて」との回答でした。
気になるのは、使い勝手に関して。ラゲッジスペースのフロア下スペースが、PHEVは浅くなっているのです。
これは、大型バッテリーを床下に搭載することで、排気系の消音器の位置が荷室フロア下に位置するようになったため。ただし、床下の収納スペースが小さくなっただけで、シートアレンジのパターンや荷室容量などには変更はありません。
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HEVよりも走行時の快適性に優れるPHEV
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