NBAサマーリーグ初戦を前に河村勇輝がメディア対応…名門ブルズからの熱いオファーで契約締結

2時間前

メディア対応を行う河村勇輝 [写真]=山脇明子

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 NBA2年目のシーズンに向けて、シカゴ・ブルズの一員としてサマーリーグに参加することになった河村勇輝。ブルズで練習を始めて1週間ほどだと言うが、練習後にはいつもの「勇輝スマイル」が見られ、楽しそうだ。

 サマーリーグで同チームを指揮するビリー・ドノバンⅢヘッドコーチも「選手もスタッフも彼のことが大好きだ。なぜなら勇輝は素晴らしい性格で、礼儀正しいからだ。それに加え、彼は勝つことを大切にし、正しい方法でプレーすることを重んじている。彼とともに取り組むことは喜ばしいことだし、選手達もそう感じていると思う。選手は彼と一緒にプレーすることを本当に楽しんでいる」と話す。

 7月11日(現地時間10日)にサマーリーグが始まったネバダ州ラスベガスは、午後を向かえた時点で気温摂氏41度。練習を終えて汗をぬぐい、同初戦を翌日に控えた河村が日本人メディアの囲み会見に応じた。

取材・文=山脇明子

複数のオファーの中からブルズを選択

――まず、ブルズに入ることになったいきさつを教えてください。 河村 メンフィス・グリズリーズとの契約が6月末まであり、それまでは他のチームと話せない状況だったので、7月頭から話をするというかたちでした。そのため少し発表が遅れましたが、ブルズからの熱いオファーがあったので、いいチームだなと思って決めました。

――いくつかオファーがあったのですか? 河村 そうですね。興味があるとか、話をしたいというところはあったんですけど、ブルズがかなり熱意があったので、悩むことなくブルズにしようと決めました。

――エグジビット10契約でもなく、サマーリーグだけの契約ですか? 河村 そうです。

――それはエグジビット10のオファーが他になかったからですか? それともあると縛られるからですか? 河村 サマーリーグで活躍して、いろんな選択肢が欲しいと思っていました。エグジビット10の契約にしてしまうと他のチームと契約ができなくなってしまうので、いろんな選択肢を持ってやりたいと思ってサマーリーグ契約にしています。

――ブルズはガードが多いチームですが、それでも契約したというのはガードをもっと使ってくれるチームだと思ったからですか? ブルズのどういう点で力を出せると思いましたか? 河村 ブルズのプレースタイルのところをすごく確認したというよりは、とにかくブルズからの熱いオファーがいいなと思いました。サマーリーグなので、プレータイムがなければ、なかなかアピールもしづらいと思っていたので、そういうところで今回ブルズに決めました。

――チームに合流してサマーリーグの練習を始めたのはいつごろですか? 河村 僕が入ったのは1週間前ですかね。7月頭ぐらいだと思います。

――一緒に練習してみてチームの雰囲気はどうですか? 河村 まず僕より若い選手がたくさんいるので、すごくエナジー溢れるチームという感じです。ベテランも数人いますし、すごくバランスの取れたいいチームだと思います。

――メンフィス・ハッスルで一緒にプレーをしたマオ(マオジーニャ・ペレイラ)と同じチームですね。 河村 はい、びっくりしました。全然狙ったわけでもなんでもないんですけど(笑)。たまたま決まったら一緒に決まっていたのでびっくりしました。

自分しかできないことをしっかり証明したい

チームメートと談笑する河村 [写真]=山脇明子

――どういうプレーをアピールしていきたいですか? 河村 他のポイントガードにはないところ。パスの部分だったり、スピードの部分だったり、フルコートピックアップをしっかりすることだったり、ゲームコントロールの部分かなと思っています。他の選手にはないところを見せていかないといけない。もちろんスコアできるというところも証明しないといけないと思っていますけど、違いを見せる、他のポイントカードにはできない、自分にしかできないことをしっかりと証明できればいいなと思っています。

――NBAのチャレンジは2年目になります。 河村 何事もそうですけど、やっぱり2年目というのは簡単ではないシーズン。Bリーグでもそうでしたし、1年目でできたことが2年目で急にできなくなったりとかいうことがあります。相手が自分のことを知っていて、どんなプレースタイルをしてくるかというところで難しく、2年目がすごく大変なのは分かっているので、本当にタフなチャレンジになると思っていますが、この大きなチャレンジを乗り越えてこそ本契約などが見えてくると思っているので、しっかりと覚悟を持って戦いたいと思っています。

――どういう準備をしてきましたか? 河村 とにかくフィジカルに、そしてより速く、より強くプレーできるように、バスケットのスキル以上にトレーニングのところは欠かさずやってきたので、そこがバスケットボールの技術だったり感覚につながっていければいいなと思っていますし、やっぱりフルコートでのピックアップしてディフェンスする、20分出るなら20分間本当に100パーセントで常にディフェンスできるような。インディアナ・ペイサーズでTJマッコネル選手がやっているようなディフェンスの部分が僕がやらなければいけないことだと思っているので、そういったところはより目指していければいいなと思っていますね。

――やはりポストシーズンでのマッコネルのプレーは印象に残りましたか? 河村 プレーオフを見ていました。サイズがない中で、ああいった活躍を見せていて。すごい身体能力があるわけでもないですし。目指しているというか、すごくいいお手本になる選手だと思っています。

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