今のタイミングはかなりマズい……レッドブルF1のホーナー解任に元同僚シュタイナー見解「エース引き止めのため結論に飛びついた」(motorsport.com 日本版)
2023年末までハースF1を率いたギュンター・シュタイナーは、レッドブル・レーシングが突如チーム代表兼CEOのクリスチャン・ホーナーを解任した件についてコメント。サマーブレイク前というタイミングは、チームにとって非常によろしくないことだと語った。 【動画】ハースF1小松礼雄代表、2024マシンVF-24をドライブ|グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード レッドブル・レーシングは7月9日(水)、ホーナーの即時退団を発表し、レーシングブルズからローレン・メキーズを登用することを起用。現時点ではホーナー解任の理由は明らかにされていないが、チームは2025年のF1で苦戦を強いられ、さらに4度の世界チャンピオンであるマックス・フェルスタッペンがメルセデスへの移籍を検討しているという噂もある。 レッドブルがジャガー・レーシングを買収して間もない頃、ホーナー代表と共にチームで働いていたシュタイナーは、不穏な空気を感じ取っていたという。ただ、サマーブレイク前というタイミングでの電撃解任は予想していなかったようだ。 2005年末にアメリカのNASCAR部門への異動を決めるまでレッドブル・レーシングでテクニカル・オペレーション・ディレクターを務めていたシュタイナーは、The Red Flags Podcastに出演した際、次のように語った。 「最初は1年以上彼と一緒に働いた。ほぼ同時期にスタートしたが、彼は私より1ヵ月早く仕事を始めた。こうなった時は私もかなり驚いたよ」 「レッドブルで何かが起こっていたというのは知っていたと思う。みんな気がついていただろう。『何か起こっていたのは知らなかった』とは言えないはずだ」 「こういうことが起こった場合、通常レッドブルは(より良い形での退団とするため)“滑走路”を作るなどして対処する。彼らはそれに長けている。しかし、これは私としては完全に青天の霹靂だった。もちろんレッドブルではあり得ないことかもしれないと思っていたし、このようなことが起こるとは思いもよらなかった。しかし状況は変化し、次へと進んでいくモノだ」 そして7月にチーム代表兼CEOを更迭するというレッドブルの判断には、F1関係者は眉をひそめており、シュタイナーも「非常に良くない」タイミングだと考えている。 「サマーブレイク前に数レースしかないから、かなりタイミングが悪い。普通はサマーブレイクにやることだ」とシュタイナーは言う。 「みんな(サマーブレイクの操業停止期間で)シャットダウンをする。これはレースの数日後に行なわれる。もちろん、タイミングがズレているし、何かに関して意見の相違があったのだろう」 「いずれ分かるだろう。少し待たなければならないと思う。でも、どうしてこうなったのか、とても不思議だよ」 ホーナーの電撃解任に、フェルスタッペンのメルセデス移籍説が関係しているのではないかという憶測が加速している。これについてシュタイナーは、ドライバー側が残留の条件として誰かしらの離脱を挙げることはおかしなことだと考えている。 「マックスがそれを望みのひとつに挙げたのかもしれない。ドライバーが『残るために誰かが去らなければならない』と言うのは奇妙なことだ。世界最高のF1ドライバーとしては、そんなことする必要はないはずだ」とシュタイナーは言う。 「多分、彼らは結論に飛びついて、マックスを残留するために何か変える必要があると言って、クリスチャンを手放した。ヨス(フェルスタッペン/マックス・フェルスタッペンの父)とクリスチャンは明らかに、多くのことで反りが合わなかった。それは公然の事実であり、表向きにもそうだった」 「チームにとってもドライバーにとっても、決して良いことじゃない。マックスはいつも、とてもスマートでこういうことから距離を置いている。だからレッドブルの経営陣は、マックスを引き止めるために満足させたいのなら、何かしなければならないと言ったのかもしれない。そう、代償が必要だったんだ」 そしてシュタイナーは次のように続けた。 「なぜ今それをするのか、私には分からない。昨年そうしなかった理由は、問題を解決しようとしていたからだと思う。クリスチャンはチームの重役であり、多くの成功を収めた人物だ」
Lydia Mee