超富裕層の相続税50%に、スイスが是非巡り11月に国民投票
Bastian Benrath-Wright
- 死後に譲渡の5000万フラン以上の資産の半分を国が徴収
スイス政府は2日、超富裕層の遺産に対する高額な相続税の是非を巡り、11月30日に国民投票を行うと発表した。
スイス社会民主党青年部(JUSO)は、死後に譲渡される5000万フラン(約90億5000万円)以上の資産について、国が半分を徴収できるようにすると提案し、支持する10万人の署名を集めた。JUSOは、この税収を気候変動対策に充てるとしている。
議会や連邦政府はこの提案に反対しているが、スイスの直接民主制の規定により、国民投票の実施が義務付けられる。
スイスは長年、世界の富裕層の「逃避先」として知られており、最近では、「ノンドム(非永住者)」への優遇措置を見直す英国や、富裕税を導入しているノルウェーから、裕福な個人が多く流入している。
JUSOの提案が十分な票を得て可決されれば、この流れは逆転し、高額納税者の流出につながると批判派は懸念している。中道や右派の複数政党による連合が、提案に反対するキャンペーンを展開している。
反対派は「過酷な50%の相続税は、家族経営企業の存続を脅かし、経済的コストも高くつく。全ての人の利益に反する」と主張している。
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原題:Swiss to Vote on 50% Inheritance Tax for Super-Rich in November(抜粋)
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