米国が欧州の同盟国に弾薬供給を再開、ATACMSだけは現在も保留中
米国は対イラン戦で武器備蓄を消耗したため、英国、ポーランド、リトアニア、エストニアを含む欧州の同盟国に「契約済みの武器納入が遅れる可能性が高い」と通知していたが、エストニアのペヴクル国防相は16日「ATACMSを除く全ての弾薬の供給再開が許可されている」と明かした。
参考:Певкур подтвердил скорое возобновление поставок американского оружия
Reutersは4月16日「米国当局はイランとの戦争が武器備蓄を消費し続けているため、一部の欧州当局に対して契約した武器納入が遅れる可能性が高いと伝えた」「今回の決定によりバルト海地域やスカンジナビア諸国を含む複数の欧州諸国が影響を受ける」「Reutersの取材にエストニアとリトアニアは『イラン戦争の影響で米国製装備品の納入に遅れが生じる可能性がある』と通知されたと回答した」「今回の影響を受ける国の中にはロシアと国境を接している国もあり、攻撃と防御の両方に使用できる弾薬を含む様々な種類の弾薬が納入遅延の影響を受ける」と報じた。
出典:Lockheed Martin
タリンで行われたエストニアとリトアニアの共同記者会見で、エストニアのクリステン・ミハル首相は「我々は米国から現状について通知を受けており、その理由と背景事情については理解している。現在、この供給問題にいかに対処すべきか米国と緊密に協議を重ねているところだ。米国が我々の最大の同盟国であることに変わりはない。米軍部隊も駐留しており、両国の結びつきは強固だ」と言及。リトアニアのインガ・ルギニエネ首相は米製装備品の調達計画について「現時点では深刻な問題はない」と前置きした上で「納入スケジュールの変更について通知を受けている」「一部の納入期限に変更が生じていることは承知している」と認めた。
さらにラトビアのエヴィカ・シリーニャ首相は「今のところ正式な通知を受けていない」「しかしながら各種の報道は把握しており事態の推移を注視している」と警戒感を示し、エストニアのハンノ・ペヴクル国防相も「我が国が最も懸念しているのはHIMARS用弾薬の調達遅延だ」「現時点で判明しているのは米国製弾薬の納入が保留状態にあるという事実だ」「我々は可能な限り情報収集に努め、この措置がすべての同盟国に例外なく適用され続けるのか、あるいは何らかの特例措置が設けられる余地があるのかを見極める方針だ」と言及。
出典:U.S. Marine Corps photo by Lance Cpl. William Chockey
Financial Timesも5月2日「米国は英国、ポーランド、リトアニア、エストニアを含む欧州の同盟国に米国製兵器の納入が大幅に遅れる可能性があると通告した」と報じたが、ペヴクル国防相は16日「米国と一時的に停止されていた武器供給の再開に関して合意に達した」とエストニア公共放送=ERRに明かした。
“現在、ATACMS(HIMARSで使用する戦術弾道ミサイル)を除く全ての弾薬の供給再開が許可されている。ATACMSは米国の対イラン作戦に関連しているため供給再開は保留されている。その他の弾薬については全て供給再開の許可が下りている。数ヶ月以内にはエストニアに到着する予定で、できるだけ早い時期の到着を期待しているものの、現在は輸送機をいつ派遣できるか決めるため調整を行っているところだ。HIMARSの訓練用弾薬とGMLRSについても供給再開が許可されている。先程も述べたがATACMSの供給だけはイラン情勢の推移に依存している”
出典:Lockheed Martin
ペヴクル国防相の言及は「HIMARS向け弾薬以外の納入遅延の影響を受けた」と示唆しているが、具体的に何が影響を受けたのか不明(対外有償軍事援助でジャベリン、砲弾、迫撃砲弾、対戦車地雷、通信機器、暗視装置などを調達中)で、ペヴクル国防相は全体的な納入遅延の期間について「4カ月間」と述べた。
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※アイキャッチ画像の出典:Photo by John Hamilton