サムスン、初の3つ折りスマホ「Galaxy Z TriFold」発表 広げると10インチの大画面に

　3つ折り式スマートフォンを何カ月も前から予告してきたサムスンが、いよいよ「Galaxy Z TriFold」を発売する。

　まず韓国で12月12日に発売し、その後、中国、台湾、シンガポール、アラブ首長国連邦など他の地域でも展開していく。米国では2026年第1四半期に発売予定だ。

　Galaxy Z TriFoldは2つのヒンジを備えたメイン画面を備え、本体を3つに折りたためる。スマートフォンと、広げた状態でのタブレットとのハイブリッドに近い。展開すると10インチになる画面と、6.5インチのカバー画面がある。

　サムスンは発表の中で、以下のように述べた。「当社が折りたたみカテゴリーのイノベーションで培ってきた10年にわたる経験が、Galaxy Z TriFoldならではのマルチフォールドフォームファクターを生み出した。メインディスプレイを守るため、内側に折り込むデザインを採用している。折りたたみ機構は、スムーズに開閉できるよう精密に設計されており、誤った折り方をすると画面上の通知と振動でユーザーに警告する自動アラーム機能も備えている」

さまざまな機能の融合

　Galaxy Z TriFoldは、「Galaxy S25 Edge」と「Galaxy Z Fold7」の2機種から要素を取り入れているようだ。両機種とも驚くほど薄く、展開時の厚さはEdgeが5.8mm、Z Fold7が4.2mmとなっている。

　Galaxy Z TriFoldはさらにその先を行く。サムスンによると、その厚さは「最薄部で」わずか3.9mmだ。ただし、注釈をよく読むと、この測定値には「カメラと、あらかじめ貼付された保護フィルム」は含まれていないことがわかる。最も厚いのは中央のパネルで4.2mmある。サイドボタンのあるパネルは厚さ4mmだ。それでも、3つに折りたたんだ際のかさばりを減らすのには役立つだろう。

　背面のトリプルカメラシステムには、Galaxy S25 Ultra、S25 Edge、Z Fold7と同様の2億画素の広角カメラが含まれている。また、1200万画素の超広角カメラと1000万画素の望遠カメラも搭載されている。セルフィー用には、カバー画面とメイン画面の両方に1000万画素のフロントカメラが配置されている。

　2025年に発売されたサムスンの他のハイエンド機と同様、Galaxy Z TriFoldはカスタムの「Snapdragon 8 Elite」プロセッサーを搭載している。また、5600mAhの3セルバッテリーを搭載しており、これはGalaxy Z Fold7の4400mAhバッテリーからの嬉しいアップグレードだ。サムスンは、「バランスの取れた電力供給と1日中持続するスタミナを実現するために、デバイスの3つのパネルそれぞれに配置されている」と説明している。充電は45Wの超高速充電に対応している。

　Galaxy Z TriFoldは2つの異なるサイズのヒンジを備えており、「デバイス全体で重量や部品が異なるにもかかわらず、よりスムーズで安定した折りたたみが可能になる」という。これは画面間の隙間を減らすのにも役立っている。チタン製のヒンジハウジングは「経年劣化に強い」とされ、「Advanced Armor Aluminum」フレームも耐久性を高めつつ、閉じた際に画面同士が接触するのを防ぐ役割を果たすはずだ。

　Galaxy Z TriFoldは、Z Fold7からもう1つの特徴を受け継いでいる。それはIP48等級だ。これは、水深1.5mで最大30分間の水没に耐えられ、1mmより大きい固形物の侵入は防げるものの、細かなほこりに対する保護はないことを意味する。一方、Googleの「Pixel 10 Pro Fold」は、水とほこりに対する耐性で優れたIP68等級を誇っている。

　サムスンの3画面折りたたみスマホは、前面にコーニングの「Gorilla Glass Ceramic 2」を採用し、背面はセラミックガラス繊維強化ポリマーで作られている。

Galaxy Z TriFoldを選ぶ理由は？

　では、広げると10インチの巨大なディスプレイになるスマートフォンの意味とは何だろうか。サムスンは、Galaxy Z TriFoldはマルチタスクに最適だとしている。

　同社は、「ユーザーは画面を多彩な方法で活用できる。縦長表示のアプリを3つ並べて同時に作業したり、マルチウィンドウでアプリのサイズを変えて重要な情報を見やすくしたり、文書を確認するときに縦向きで持って集中しやすくしたりできる」と述べている。

　サムスンはまた、より広い画面は映画やテレビ番組を見るのにも適していると言う。YouTube動画を見ながら、隣のディスプレイで同時にコメントを読むこともできる。サムスンは「デバイスの折り目を最小限に抑えることで、コンテンツをシームレスに、途切れることなく表示できる」としている。これは重要な要素となるだろう。

　AMOLEDのカバー画面とメイン画面は、最大120Hzのリフレッシュレートに対応している。ピーク輝度はそれぞれ2600ニトと1600ニト。

　Galaxy Z TriFoldは、「Android 16」と「One UI 8」を搭載して登場する予定だ。価格は不明だが、Z Fold7の価格が2000ドル（日本ではサムスン公式サイトで26万5750円）からであることを考えると、かなりの高額になるだろう。

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