【和島英樹のマーケット・フォーキャスト】─2月相場はもみ合いか、市場の関心は企業業績・株主還元にシフト
選挙については、自民党・日本維新の会による連立与党の優勢が伝えられている。圧勝ならば「サナエノミクス」促進による経済拡大期待から、株式市場は上値を試すことが想定される。苦戦ならば、調整色を強める可能性が大きい。連立での過半数議席獲得を前提に、日経平均株価の予想レンジは5万1500円~5万5500円とする。
為替市場では、1月23日に米国市場で「FRB(米連邦準備理事会)がレートチェック(介入前の取引水準の問い合わせ)を行った」との観測から対ドル、対ユーロで円高が進んだ。ただ、トヨタ自動車 <7203> [東証P]の前提為替レートは1ドル=146円、任天堂 <7974> [東証P]は140円であり、現時点では業績に与える影響は限定的といえる。
スケジュールでは、米国で2日に1月ISM製造業景況指数、6日に1月雇用統計、11日に1月消費者物価指数、20日に10-12月期GDP速報値、27日に1月生産者物価指数などが発表される。日本では13日にオプションSQ(特別清算指数算出)、16日に10-12月期GDP、20日に1月消費者物価指数などが予定されている。また、13日にかけて3月期決算企業の第3四半期決算発表がピークを迎える。なお、2月はFOMC(米連邦公開市場委員会)、日銀金融政策決定会合ともに開催はない。次回はFOMCが3月17日~18日、日銀金融政策決定会合は3月18日~19日の予定だ。 ●人気圏外のコンテンツ関連にも目配りを 日経平均株価の1株利益は2700円程度。決算発表でこれが切り上がるかが焦点だ。プライム市場に上場する企業の26年3月期の純利益は小幅減益予想だが、トランプ関税の影響が想定以下で、増益の見込みに転じる可能性もある。現状のPER(株価収益率)は約20倍。27年3月期への期待感が高まる内容になるか。また、今期業績の着地が見えてきたことで、増配を発表する企業が増加する可能性もありそうだ。12月期本決算企業は26年12月期の業績予想を公表する。3月期決算企業に先駆けて見通しを示すことになる。ブリヂストン <5108> [東証P]、クボタ <6326> [東証P]、NIPPON EXPRESS ホールディングス <9147> [東証P]、住友林業 <1911> [東証P]、ルネサスエレクトロニクス <6723> [東証P]、資生堂 <4911> [東証P]、花王 <4452> [東証P]、荏原製作所 <6361> [東証P]、東京応化工業 <4186> [東証P]、ユニ・チャーム <8113> [東証P]、DMG森精機 <6141> [東証P]などの利益見通しや数値前提を見ておきたい。日本たばこ産業 <2914> [東証P]の株主還元への関心も高い。
3月期第3四半期決算の前半戦では、半導体後工程製造装置のディスコ <6146> [東証P]やアドバンテスト <6857> [東証P]がサプライズとなった。27年3月期に向けてもAI(人工知能)を含めた半導体関連がテーマとなりそうだ。先端半導体の米エヌビディア<NVDA>の第4四半期(11月-1月)決算は25日発表の予定だ。取引先のイビデン <4062> [東証P]のほか、後工程に絡むTOWA <6315> [東証P]、芝浦メカトロニクス <6590> [東証P]、レゾナック・ホールディングス <4004> [東証P]などの動向も注目される。
また、半導体ではデータの記憶を担当するDRAM、NANDのメモリ価格が、昨年10月以降に上昇が加速している。NANDフラッシュメモリで世界有数のキオクシアホールディングス <285A> [東証P] の10-12月期決算の発表が12日に予定されている。7-9月期決算が期待に届かず、11月の発表直後にはストップ安に売られた経緯もあり、今回の決算への市場の関心は高い。HBM(広帯域メモリ)でDRAMの3次元化に成膜装置で貢献するKOKUSAI ELECTRIC <6525> [東証P]、キオクシアが最大顧客のジャパンマテリアル <6055> [東証P]、メモリ向け検査用器具で世界首位の日本マイクロニクス <6871> [東証P]などもチェックしたい。
一方、人気の圏外となっている コンテンツ関連の一角をマークしておきたい。サンリオ <8136> [東証P]は第2四半期の決算は良好だったものの市場の期待に届かず、株価は大きく調整。また、任天堂は、新型ゲーム機「ニンテンドースイッチ2」人気の一巡や半導体メモリ価格の上昇による採算悪化懸念で下落している。人気銘柄だっただけに、押し目では信用取引の買いが入り、需給の悪化も調整が長期化する要因となった。いずれも昨年8月が上場来高値であり、2月に6カ月の高値期日を迎える。需給の最悪期を抜ければ、出直りの機をうかがう可能性がある。東宝 <9602> [東証P]、バンダイナムコホールディングス <7832> [東証P]なども同様だ。
(2025年1月30日 記/次回は3月1日 配信予定) 株探ニュース