Steamの昨年の総売上は「トップ25タイトルで6割」といったデータ示す市場調査報告。価格別の売上上位ゲームの割合など分析データいろいろ
ゲーム開発者向けのマーケティング調査機関GameDiscoverCoは2月19日、2024年のPC(Steam)におけるゲームの売上を分析した記事を公開。分析では、総収益が売上上位の少数のタイトルで占められている傾向や、高価格帯のゲームについて、売上上位にランクインしている割合が多い傾向にあることなどが示されている。
今回GameDiscoverCoがおこなった分析では、同社の独自集計によるSteamの総収益に基づき、2024年にリリースされた新作ゲームについての統計情報が公開されている。まず2024年発売の新作ゲームのうち、トップ25位にランクインした作品の収益は総額3350万ドル(約50億9200万円)であり、Steamにおける2024年の総収益の約63%を占めていることが明らかとなった。
また250位の新作ゲームは143万ドル(約2億1700万円)の収益を、500位のゲームは45万7000ドル(約7000万円)の収益をあげたとのこと。なおこの収益は売上高であり、ここからプラットフォームの使用料や付加価値税、払い戻しなどが差し引かれるため、純粋な利益としてはさらに低い値となるだろう。
さらに順位を下っていくと、2500位に位置する新作タイトルで、およそ1万1000ドル(約170万円)の収益をあげているとのことだ。なおSteamでは2024年に約1万9000本のタイトルがリリースされているそうで、売上が2500位以上のタイトルは上位13%にあたる。数少ない上位の作品だけがまとまった収益を獲得している傾向を表しているといえる。
Image Credit: GameDiscoverCo on Web*2024年にSteam上でリリースされたゲームの収益ランキング順(横軸)に対する合計収益額(縦軸)例として一番左の棒グラフは、2024年のSteamにおける売上上位25タイトルの総収益額を示している
こうした傾向は過去に、ゲームマーケティング関連メディアOP Game Marketingの創設者Jordan Brown氏によっても指摘されていた(関連記事)。同氏はSteamにおける「非AAAタイトル」に限った分析をおこなっていた。分析では一定の区分に基づいた分類の約1万8000本のタイトルのうち、500ドル以上の収益をあげた作品は6509本、つまり約36%に相当することが明らかにされている。Brown氏はこの結果をもって、商業的に成功することがいかに難しいかとの見解を示していた。
加えてGameDiscoverCoは、価格帯に応じて、最低でも1000プレイヤー、および1000件のダウンロードが確認できたタイトルをカウント。さらにそこから上位250タイトルとなる、143万ドル以上の収益をあげたタイトルの占める割合についても調査している。平たく言うと、価格帯別のゲームタイトルの「売上上位率」を算出しているわけだ。
Image Credit: GameDiscoverCo on Web*2024年にリリースされたSteam向けタイトルのうち売上上位250本を、価格帯ごとに分類したグラフ5ドル未満のゲームについては、1000ダウンロード/プレイヤーを達成したタイトルは計1927本。そのうち1.7%となる33本が上位250位にランクイン。ちなみに具体的な数字は明かされなかったものの、ランクインしたタイトルは主に基本プレイ無料の作品だったという(Mainly F2P titles, obviously.)。その他の価格帯で1000ダウンロード/プレイヤーを達成した作品数と、上位250作品の割合については以下に示すとおり:
5ドル以上10ドル未満(約750円~1500円):2%(796タイトル中16タイトル)10ドル以上15ドル未満(約1500円~2250円):3.4%(587タイトル中20タイトル)15ドル以上20ドル未満(約2250円~3000円):6.3%(474タイトル中30タイトル)20ドル以上30ドル未満(約3000円~4500円):19.2%(297タイトル中57タイトル)30ドル以上40ドル未満(約4500円~6000円):24.5%(102タイトル中25タイトル)40ドル以上(約6000円~):62%(111タイトル中69タイトル)
*なおSteamでの販売において、常に最新の為替レートで値段が換算されるわけではないことには留意したい。