イラン、核兵器級の濃縮ウラン生産拡大に方針転換-IAEA非難受け

Patrick Sykes、Jonathan Tirone

  • IAEA、包括的報告書の作成を事務局長に命令-制裁復活の布石か
  • トランプ氏は大統領就任後、イランへの姿勢一段と厳しくする見通し

イランはウラン濃縮活動を拡大する方針を明らかにした。国際原子力機関(IAEA)理事会が対イラン非難決議を採択したことを受けた措置。イランはつい2日前、高濃縮ウランの貯蔵停止を表明し、西側との緊張緩和を示唆したばかりだった。

関連記事:イラン、高濃縮ウランの貯蔵停止を無条件で誓約-IAEA事務局長

  エスラミ原子力庁長官はIAEAからの非難への対応として、「新型および高性能」の遠心分離機を「大量に」調達するよう命じた。イラン外務省の発表によれば、IAEAはイランが未申告の施設で検出されたウラン粒子について、十分な説明ができていないことを非難した。

IAEA verified on Nov. 16 that Iran took step to stop 60% production

Source: IAEA data compiled by Bloomberg

  IAEA理事会が21日夜に採択した非難決議は、長年におよぶ調査を踏まえたものだった。理事会はまた、グロッシ事務局長にイランの違反行為について詳細で包括的な報告書を来年早期にも提出するよう命じた。

  イランが今週、高濃度ウランの貯蔵停止を約束したのは、次期トランプ米政権に対する和解の示唆と一部で解釈された。しかしIAEA理事会が事務局長に作成を命じた包括的な報告書は、国連制裁の復活につながりかねない。トランプ氏は大統領就任後、前の任期中よりも厳しい姿勢でイランに接し、経済的苦痛を増やす可能性がある。

原題:Iran to Expand Nuclear-Fuel Capacity After West’s UN Rebuke (1)(抜粋)

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