菊池が大勢打ち!粘る広島が巨人に逆転勝利 安仁屋宗八氏「とんでもないことをする男に任せた結果だ」
「巨人2-3広島」(6日、東京ドーム)
敗色濃厚だった広島がストッパーを任された大勢を攻めて逆転勝利。巨人との3連戦を1勝1敗1分けの五分で終えた。1点をリードされて迎えた九回一死満塁から菊池涼介内野手が中前へ逆転の2点打。デイリースポーツ評論家の安仁屋宗八氏は「とんでもないことをする男」に任せた末の逆転勝ちを強調した。
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九回1死満塁の重要な場面で、この試合まるでタイミングが合っていない菊池に打順が回ってきた。それまでの打撃内容を考えれば、代打を告げられても仕方がなかったところ。ベンチには坂倉や秋山らがいたからね。
しかし、新井監督はあえて菊池に任せ、そのまま打席に送った。
彼はいい意味で、とんでもないことをする男。何かを起こせる選手というか。3連覇時の中心選手で経験や実績が豊富。一発長打もある。それを見越しての判断だったと思う。
その結果、大勢の力のあるストレートに振りまけず、見事にセンターヘ打ち返した。タイミングが合っていなかったのは先発の赤星に対して。そのあたりの切り替えはさすがだった。
交流戦後、チームは再び得点力不足に陥り、取れても2点まで。六回に奪った中村奨のソロホームランが41イニングぶりの得点というのだから、ひどい状態だった。
投手を見殺しにしている。そういう意識が余計なプレッシャーを生む悪循環となり、ますます打てなくなっていたのではないか。
九回はまずファビアンが右前打で出塁してチャンスを作った。ストライク2つを取られて簡単に追い込まれたが、コースに逆らわない素直な気持ちが、右方向への打撃につながったのだろう。だからこそ首位打者争いができているのだ。
1死後、野間がヒットでつなぎ、モンテロが死球。大勢に思い切り圧力をかけた状態で菊池の一打が飛び出した。直後に代打秋山のヒットもあったし、打線が久しぶりにつながったね。
攻撃面ではまだまだ課題は残るが、大勢を途中降板させたことには自信をもっていい。八回に失点したが、取られた直後に逆転したというのも大きい。これらは乗っていける材料になる。
巨人との3連戦を勝利で終えたことは心強く、広島としてはこのいいムードを次のカードである8日からの阪神戦にぶつけたいところだ。
連勝中だった巨人が阪神に3連敗。同じく勢いをもって臨んだDeNAも阪神に3連敗。追いかける側の2つのチームがはね返されている。
首位阪神のカベは厚くゲーム差は広がっているが、まずは初戦を取ること。これができれば当然、3連勝も可能になる。是非そういう強い気持ちで臨んでもらいたい。