トランプ氏、上乗せ・セクター別関税同時発動の構え-二面作戦で圧力

Joe Deaux、Jenny Leonard、Alicia Diaz、Josh Wingrove

  • 8月1日発動予定の上乗せ関税に加え、セクター別関税も導入の構え
  • セクター別関税は輸入の最大7割対象に、残る大半上乗せ関税で網羅

トランプ米大統領は向こう2週間に、世界の貿易相手国・地域への上乗せ関税に加え、セクター別関税を導入する構えだ。

  米政府当局者は50%の銅関税について、発動が予定されている8月1日の数日前に詳細を公表する可能性があると、事情に詳しい関係者が明らかにした。8月1日は各国・地域への上乗せ関税も発動される予定だ。

  トランプ氏は15日、月内にも医薬品関税を課す可能性が高く、半導体についても早期の関税発動があり得ると述べた。

  関係者によると、トランプ政権は銅に続き、木材、半導体、重要鉱物、医薬品の順に関税に関する発表を行う方向で協議している。ただ、順番は確定しておらず、変更される可能性がある。

  トランプ政権はすでに鉄鋼・アルミニウム、自動車・部品に対する関税を発動している。事情に詳しい関係者によると、すべてのセクター別関税が実施されれば、対象国・地域からの輸入の30-70%がセクター別関税の対象となり、それ以外の大部分は国・地域別の関税で網羅される見通しだ。

  セクター別関税は通商拡大法232条に基づき、国家安全保障上の理由から発動される。そのためトランプ氏が国・地域別の上乗せ関税に用いた緊急権限よりも法的根拠が強いとされる。上乗せ関税については、まだ合意に達していない貿易相手国・地域に対して一方的に書簡で新税率が通知されているほか、司法の場でも争われている。

  欧州連合(EU)や日本、インドなどは、上乗せ関税とセクター別関税双方の引き下げを求めている。事情に詳しい関係者によると、国・地域別関税を担当するのはグリア通商代表部(USTR)代表である一方、セクター別関税を所管するのはラトニック商務長官であることから、各国の交渉は一段と複雑化している。

原題:Trump Aims Tariff Double Whammy at Industries, Nations by Aug. 1(抜粋)

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