ウォール街で最も弱気、米10年債利回り年内5.5%-蘭INGが予想

Greg Ritchie

  • 米金融当局は物価上昇圧力を相殺しようと金利を景気抑制的にする
  • 連邦財政赤字に対する懸念も強まる-INGグループのガービー氏

ウォール街の債券弱気派は今年、比較的良いスタートを切った。米中長期債は先週末に続いて6日も下落(利回りは上昇)した。

  オランダINGグループのグローバル債券・金利戦略責任者、パドライク・ガービー氏は、米10年債利回りが2025年末までに5.5%近辺に達すると予想している。6日の水準は約4.6%だ。

  ブルームバーグがまとめた今年末の予想51件のうち、利回りが現行水準より上昇するとの予測は3件に過ぎない。INGの米国債相場予想は最も弱気で利回りの大幅上昇を見込んでいる。2番目に弱気の予想に比べても約40ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高い。

  ガービー氏の根拠は次の通り。トランプ次期大統領が掲げる関税・減税政策が物価上昇圧力を高めるリスクがあるため、米金融当局は金利を景気抑制的に維持することでそれを相殺する。連邦財政赤字に対して市場関係者が懸念を強めることも利回り上昇につながるとしている。

  ガービー氏は電話取材に対して「いまだに2.5%を上回っているインフレ、さらに財政赤字というシナリオがある」と述べた。

  同氏の予想が正しければ、債券投資家にとって今年は失望の年になる。米国債相場は昨年、プラスリターンをわずかに確保するにとどまった。

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  ブルームバーグがまとめた市場予想平均で、米10年債利回りは25年末に4.12%前後が見込まれている。

  ガービー氏は「コンセンサスに戻ろうとは思わない。5.5%を試すという予想は妥当だ」と語った。

原題:Wall Street Bond Bear Sees US 10-Year Yield Topping 5% (1)(抜粋)

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