ボストン連邦裁、教育省解体・職員解雇の大統領令撤回を命令

米ボストン連邦裁判所は5月22日、教育省の解体を命じた大統領令の停止と、教育省の約半分に当たる1300人を超える職員の解雇を撤回するように命じる判決を出した。写真はワシントンの教育省前で、閉鎖を命じる大統領令に抗議する人々。3月21日撮影(2025年 ロイター/Kent Nishimura)

[ボストン 22日 ロイター] - トランプ米大統領による教育省の解体と職員の大量解雇の停止を求め、米民主党が主導する20州と首都ワシントンの司法長官や教職員組合などが起こした訴訟で、ボストン連邦裁判所は22日、教育省の解体を命じた大統領令の停止と、教育省の約半分に当たる1300人を超える職員の解雇を撤回するように命じる判決を出した。

バイデン前大統領が任命したミョン・ジョウン判事は「記録は被告(トランプ氏)の真の意図が、認める法令がないまま教育省を事実上解体することであることを十分に明らかにしている」と認定した。

トランプ政権下の司法省の弁護士らは、大量解雇は教育省を閉鎖するためではなく、法定任務全体をより効率的に果たす一方で、官僚的肥大化を解消するための合法的な手法だと主張していた。

これに対し、判事は職員の削減は逆効果であり、「大幅な人員削減により、教育省は法令で定められた機能を遂行することが事実上不可能になった」とし、「教育省の職員が解雇され続け、教育省が抜け殻となるまで部署が移管され続けることに対し、裁判所に目を覆うよう要求はできない」と切り捨てた。

さらに、トランプ氏が教育省廃止を目指す大統領令を出したことに伴い、同省の学生ローンと特別支援プログラムを他省庁へ移管するとした3月21日の発表内容を撤回するように命じた。

教育省のマディ・ビーダーマン報道官は、判決について「政治的な恨みを持つ、選挙で選ばれたわけでもない裁判官」によるものだと反発。ホワイトハウスのハリソン・フィールズ報道官は「大統領と教育長官には教育省の再編を決定する法的権限があり、左翼裁判官の判決がその現実を変えることはできない」と言い張った。

一方、民主主義擁護団体のデモクラシー・フォワードのスカイ・ペリーマン氏は、判決は「乱暴で破壊的で違法な当局の行動が法廷で争われている間、キャリアのある公務員が大量に解雇されるのを阻止する」と評価した。

マクマホン教育長官はFOXニュースのインタビューで、トランプ氏が「明らかに教育省を閉鎖するように指示した」と表明。マクマホン氏は3月11日に教育省職員の大量解雇を発表し、辞めることを受け入れた600人を含めた人員削減を実施した場合の職員数は2183人となり、トランプ氏が大統領に復帰した時の4133人の半分強になると説明していた。

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Nate Raymond reports on the federal judiciary and litigation. He can be reached at [email protected].

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