NY市場サマリー(13日)S&P調整局面入り、ドル上昇・利回り低下

<為替> ドルが大半の主要通貨に対して上昇した。最近のドル売りの反動からポジション調整の動きが出た。ただ、トランプ米政権の貿易政策を巡る懸念から見通しには不透明感が強い。

主要通貨に対するドル指数は0.2%高の103.80。

円は対ドルで0.39%高の1ドル=147.84円となった。

日銀の植田和男総裁が参院財政金融委員会で、マネタリーベースや日銀のバランスシート、日銀当座預金の規模について「現状はやや大き過ぎる」と述べた発言に対する反応は限定的だった。 もっと見る

ユーロは対ドルで0.28%安の1.0856ドル。それでも、今週序盤に付けた5カ月ぶり高値となる1.09470ドル近辺で推移している。

NY外為市場:

<債券> 国債利回りが低下した。トランプ米政権の関税政策に起因する貿易戦争で経済成長が損なわれ、物価が押し上げられる可能性があると懸念される中、米株価が下落し、安全資産と見なされる米国債に買いが入る展開になっている。

さまざまな関税措置を打ち出しているトランプ米大統領はこの日、欧州連合(EU)が米国産ウイスキーへの課税措置を撤廃しなければ、EUから輸出されるワインやシャンパンなど全てのアルコール製品に200%の関税を課すと表明。 もっと見る

終盤の取引で10年債利回りは3.4ベーシスポイント(bp)低下の4.282%。

2年債利回りは4.2bp低下の3.953%。

米金融・債券市場:

<株式> 主要株価3指数が軒並み大幅安。S&P総合500種(.SPX), opens new tabは調整局面入りを確認した。激化する関税合戦がインフレをあおり、米経済がリセッション(景気後退)に陥るという懸念から、幅広い銘柄に売りが広がった。
S&P500(.SPX), opens new tabは2月19日に付けた最高値から10.1%下落し、調整局面入りを確認した。
ハイテク関連株への売りでナスダック総合(.IXIC), opens new tabは2%近く下落。同指数は今月6日に既に調整局面入りを確認している。

市場は米政府機関の閉鎖を回避するためのつなぎ予算延長案を巡る与野党の駆け引きも注視している。

半導体大手インテル(INTC.O), opens new tabは14.6%急伸。新CEOに業界のベテランで元取締役のリップ・ブー・タン氏を指名したことを好感した。 もっと見る
ソフトウエアのアドビ(ADBE.O), opens new tabは13.9%急落。四半期売上高見通しが予想並みだった。

米国株式市場:

<金先物> 米関税政策や地政学リスクへの警戒感を背景とした安全資産としての金需要が根強く、3日続伸した。中心限月4月物の清算値(終値に相当)は前日比44.50ドル(1.51%)高の1オンス=2991.30ドルと、中心限月の清算値ベースで2月下旬以来約2週間ぶりに史上最高値を更新した。

NY貴金属:

<米原油先物> 激化する貿易摩擦の影響で需給が緩むとの見方が広がり、3営業日ぶりに反落した。 米国産標準油種WTIの中心限月4月物は前日清算値(終値に相当)比1.13ドル(1.67%)安の1バレル=66.55ドルだった。5月物は1.11ドル安の66.27ドル。

NYMEXエネルギー:

LSEGデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab

関連記事: