利回り4.8%のJリートと不動産取引の潮流を読む:2026年公示地価の読み解き方(茂木春輝)

 まず地価公示について改めて、説明いたします。公示地価とは地価公示法に基づいて、国土交通省土地鑑定委員会が、適正な地価の形成に寄与するために、毎年1月1日時点における標準地の正常な価格を3月に公示するものです。

 土地取引、不動産鑑定の目安となり重要な指標となっています。その価格が「公示地価」となります。国土交通省の地価公示のページでは場所ごとに個別の取引の実績を見ることもできます。まずは項目を絞って変動率で見ると概況を把握することができます。

全体動向と用途別指標

 地価公示データによると2025年から2026年の変動率の全国的な上昇基調が鮮明ですが、用途別で見ると「商業地」の加速が際立っています。用途で整理すると以下のようになります。

・全用途平均:+2.8%

前年(2.7%)から上昇幅が拡大。35年ぶりの高水準

・住宅地:+2.1%

前年と同水準を維持。都市部中心に堅調な需要が継続している

・商業地:+4.3%

前年(3.9%)から拡大。インバウンドと再開発がけん引

<公示地価2025~2026年の変動率>

出所:国土交通省の資料より楽天証券経済研究所が作成。変動率のため、今年の項目は2025~2026年の変動率、前年は2024~2025年の変動率を示す

地域別の分析(二極化の変容)

 これまでの「都市部のみ上昇」という構図から、現在は

(1)「大都市圏の加速」

(2)「地方四市の踊り場」

(3)「地方圏の拡大」

 という新たな局面に入っています。

<地域別の全用途公示地価変動率の推移>

出所:国土交通省の資料より楽天証券経済研究所作成

【1】「大都市圏の加速」:三大都市圏の独走

 東京、大阪、名古屋の三大都市圏は全用途で+4.6%(前年4.2%)と、全国平均を大きく上回るペースで上昇しています。

 東京圏(+5.7%):特に23区の住宅地は+9.0%と極めて高い伸び。都心回帰と共働き世帯の購買力が背景。

 大阪圏(+3.8%):万博関連や再開発への期待から上昇幅が拡大。

【2】「地方四市の踊り場」:地方四市(札幌、仙台、広島、福岡)の減速

 これまで全国をけん引してきた地方四市(平均+4.5%)は、上昇こそ継続しているものの、前年(5.8%)から伸び率が鈍化しました。要因としては地価高騰に伴う「買い控え」や、建築資材高騰による開発の精査が進んだためと考えられます。

【3】地方圏の拡大

 地方圏(四市を除く)の全用途平均も+1.2%と上昇。特に観光需要のあるリゾート地(北海道、長野など)や、半導体工場などの進出に関連する地域(熊本、千歳など)で特異な上昇が見られます。

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