南アフリカ人17人、ドンバスで身動き取れず「救助要請」 ロシアとウクライナの戦争に参加
画像提供, Reuters
南アフリカ政府は6日、ロシアが始めた戦争が続くウクライナで雇い兵として活動する17人の自国民から、救助要請を受けたと発表した。
救助を求めたのは、20歳から39歳までの南アフリカ人男性17人。戦争で荒廃したウクライナ東部ドンバス地方で身動きが取れなくなっているという。
政府報道官は声明で、シリル・ラマポーザ大統領が「これらの若者が雇い兵とみられる活動に勧誘された経緯について調査するよう命じた」とした。男性たちがロシアとウクライナのどちらの側で戦っていたのかは明らかにしていない。
南アフリカでは、政府の許可なしに雇い兵として活動することや、他国の政府のために戦闘行為に参加することは法律で禁止されている。
南アフリカ政府によると、男性たちは、高額な報酬と引き換えに雇い兵部隊に加わるよう誘い込まれたとみられる。
ヴィンセント・マグウェニャ報道官は、男性たちを帰国させるため、政府が「外交ルート」を通じて動いていると付け加えた。
17人のうち16人はクワズール・ナタール州出身で、1人は東ケープ州出身だという。
マグウェニャ報道官は、「ラマポーザ大統領と南アフリカ政府は、外国の軍事組織と関わる個人が、影響を受けやすい若年層を搾取することを強く非難する」と述べた。
南アフリカの失業率は30%を超えている。若者の失業率はこれより高く、勧誘の標的になりやすいと、複数アナリストは指摘する。
BBCの調査では、クレムリン(ロシア大統領府)がアフリカで影響力を拡大しようとしている証拠が見つかっている。
BBCの取材では、若い女性たちがロシア西部タタールスタン共和国のアラブガ特別経済特区に連れて行かれ、ドローン製造工場で働かされていることが分かっている。
アフリカや南アジアから推定1000人以上の女性が、アラブガの兵器工場での仕事に採用されている。
9月にはケニア警察が、ロシアでの就職を口実に、ウクライナでの戦闘に送り込む目的で人身売買組織によって連れ出された20人以上を救出したと発表した。
ウクライナは以前から、同国の捕虜収容所にはソマリアやシエラレオネ、トーゴ、キューバ、スリランカなどの国民がいると明らかにしている。
ウクライナもまた、アフリカ人などの外国人をウクライナ部隊の一員として雇おうとして批判を受けたことがある。
2022年にはセネガル外務省が、ウクライナ大使を召喚し、外国人に戦争への参加を呼びかけるフェイスブックの投稿を削除するよう要請したと明らかにした。
当時、ナイジェリアもウクライナによる募集活動を容認しないと警告。ウクライナは方針転換を余儀なくされた。