THE YELLOW MONKEY 史上最も凶暴な新曲を2万人の前で披露→観客は大笑い「反則級」「モフモフ」
本編最後に歌ったのは『ホテルニュートリノ』。その前に吉井が「1つどうしてもお話したいことがあります」と言ってこの曲を作った時のことを振り返った。
「THE YELLOW MONKEYは、2022年の秋に更なる活動を始めようとアルバムのレコーディングをすることが決まり、そんな時にドラマのタイアップの話をいただきました。その時、自分の喉に“ブラックスター”がありまして、急きょ治療と静養が必要になりました。自分の命がいつまでもある訳ではないと宣告されて本当に目の前が暗くなったんですけど、逆に光が見えたというか……。やたら闘志に燃えた瞬間でした」
ブラックスターとは、吉井が敬愛するデヴィッド・ボウイ(2016年没)の生前最後のアルバムタイトルを想像させる言葉だ。まるで心の師と自らの思いを重ね合わせたかのような言葉にも思えた。
「人間の魂は体に宿ると言いますが、生まれた時にチェックインして、この世からいなくなる時にチェックアウトする――。ニュートリノという言葉の響きがホテルみたいに思えて、そのホテルが廃墟みたいな汚いホテルになるか、すごく一流なホテルになるか、すごく癒されるホテルになるか、それは、魂次第だと思いました。そんなことを考えながら歌詞を書いているうちに、THE YELLOW MONKEYを結成して、ずっと歌いたかったことに通じるというか、さらに身をもってその世界を覗かせていただくことができたと思います。そんな気持ちで作った楽曲です。楽曲自体は、すごくノリノリなのでぜひみなさんで踊って、今の魂を大いに楽しんでもらいたいと思います」
そう話すと死生観にも触れるような深い言葉でつづられた歌詞を軽快なメロディーで歌った。
アンコールに入ると7月9日リリースのニュー・シングル『CAT CITY』を披露した。この曲は7月7日から放送されるテレビ東京系アニメ『ニャイト・オブ・ザ・リビングキャット』オープニングテーマに起用される。
吉井が作品について説明を始めると隣でEMMAが、かわいらしい猫のポーズを決める。すると「こちらの“あざとい”菊地英昭さんが作曲しました。そしてお題をもらうとすごく寄り添った歌詞を書く吉井和哉が詞を書かせていただきました」と曲を紹介。加えて吉井が「THE YELLOW MONKEY史上、最も凶暴で血みどろな歌詞でございます。気分が悪くなりましたら、すぐに近くの係員にお知らせください。サビは非常に難解なワードですけど、皆さんなら覚えられます!」と言って両サイドの大型モニターに歌詞が映し出された。
いよいよサビが近づくと初めて新曲を聴くファンは、どれほど凶暴で血みどろな歌詞なのかとドキドキしながらスクリーンに集中する。すると「ネコニャンパリ♪」とかわいらしい言葉が次々と飛び出した。クールなロックンロールと何度も繰り返すかわいい歌詞のギャップに観客も笑いながら一緒にサビを歌った。終演後のSNSにも「ニャンニャンでモフモフ」「反則級なキューティーソング」「あんなに笑ったの初めて」という投稿が目立った。