中国、G7議長総括の政策批判に反発-外務省「内政干渉」と抗議
Bloomberg News
- 議長総括で中国による「市場歪曲、過剰生産能力の抑制」求める
- 中国側は、批判は保護主義や中国産業圧迫のための口実と指摘
カナダのアルバータ州カナナスキスで行われた主要7カ国首脳会議(サミット)を巡り、中国は、レアアース(希土類)政策や経済政策を批判した欧米首脳を、自国の内政に干渉したとして厳しく非難した。
中国外務省の郭嘉昆報道官は、カナダのカーニー首相が中国に対し、「市場歪曲や有害な過剰生産能力の抑制」を求める議長総括を発表したことに対し、正式に抗議した。郭氏は、18日の定例記者会見で、カーニー氏の発言を「無責任」かつ「操作的」、「中傷的」だと反論した。
この応酬により、中国製品が世界市場に流入し、他国の経済を脅かしているかどうかを巡る議論が再燃している。
議長総括によると、G7首脳は貿易・産業政策に関する懸念に加え、「中国による東シナ海・南シナ海を不安定化させる活動に対する、進行中の深刻な懸念や、台湾海峡の平和と安定の維持の重要性」について議論した。
郭氏は、中国の行動によって「過剰生産能力や市場のゆがみ」が生じていることはないと否定し、こうした主張は保護主義の実践や、中国の産業を圧迫するための「口実」に過ぎないと述べた。また、この総括が「中国の内政に干渉し、国際関係の基本原則に違反している」とも強調した。
G7サミットの会場でEUのフォンデアライエン欧州委員長(左)と歩くカナダのカーニー首相
郭氏は、世界が新たな「中国ショック」に直面していると、G7サミットの場で述べた欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長も非難した。
フォンデアライエン氏は、中国政府が一部の分野での準独占的地位を「交渉の道具としてだけでなく、主要産業の競合他社を弱体化させるための武器として利用している」と指摘した。
原題:China Lashes Out at G-7, Von der Leyen for Criticism of Policies(抜粋)
最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE