ロシア軍がウクライナを570発の長距離ドローン・ミサイル攻撃、弾道ミサイルが多数突破しキーウで大被害(JSF)

 2026年7月2日のウクライナに対するロシア軍の長距離ドローン・ミサイル攻撃は合計570飛来(ドローン496機+ミサイル74発)でした。17日ぶりの大規模攻撃となっています。攻撃は首都キーウに集中、多数の弾道ミサイルが突破して民間集合住宅などに大被害が生じています。

  • 2026年7月02日:合計570飛来(ドローン496機+ミサイル74発)47突破
  • 2026年6月15日:合計681飛来(ドローン671機+ミサイル70発)49突破
  • 2026年6月02日:合計729飛来(ドローン656機+ミサイル73発)87突破

※上記は最近の約一カ月間での大規模攻撃の例。なおロシア軍の長距離ドローンによる攻撃は毎日実施されている。

2026年7月2日迎撃戦闘:ウクライナ空軍司令部

  • ツィルコン極超音速ミサイル×4飛来0撃墜
  • イスカンデルM弾道ミサイル/S-400転用ミサイル×24飛来4撃墜
  • Kh-101巡航ミサイル×34飛来32撃墜
  • カリブル巡航ミサイル×8飛来8撃墜
  • Kh-59/69空対地ミサイル×4飛来4撃墜
  • 自爆無人機と囮無人機×496飛来475排除

合計570飛来523排除、47突破 ※阻止率92%

ウクライナ空軍より2026年7月2日迎撃戦闘の集計報告

Основний напрямок удару – Київ. Особливість масованої атаки - одночасне застосування засобів повітряного нападу різних типів із різних напрямків, застосування великої кількості балістики та реактивних БпЛА.

「攻撃の主な標的はキーウです。この大規模攻撃の特徴は、様々な種類の航空攻撃手段を異なる方向から同時に使用していること、多数の弾道ミサイルやジェット推進型の無人航空機(UAV)が投入されていることです。」

出典:ウクライナ空軍司令部(2026年7月2日空襲報告)

攻撃経路の可視化地図の出典 : ППО радарmonitoring

ППО радар と monitoring による共同作業の可視化地図(2026年7月2日)
  • 桃色直線:極超音速ミサイル(ツィルコン:地上発射) 
  • 橙色直線:弾道ミサイル(イスカンデルM/S-400:地上発射)
  • 赤色曲線:巡航ミサイル(Kh-101:空中発射)
  • 緑色曲線:巡航ミサイル(カリブル:艦船発射)
  • 白色曲線:空対地ミサイル(Kh-59/69:空中発射)
  • 紫色曲線:ジェット型ドローン(自爆無人機:地上発射)
  • 黄色曲線:プロペラ型ドローン(自爆無人機/囮無人機:地上発射)

※ППО радар と monitoring による共同作業の可視化地図。クリエイティブ・コモンズ・ライセンスをCC 4.0に設定されてある。

高速ミサイル×28飛来4撃墜、24突破 ※阻止率17%

  • ツィルコン極超音速ミサイル×4飛来0撃墜
  • イスカンデルM弾道ミサイル/S-400転用ミサイル×24飛来4撃墜

 パトリオット防空システムで重点的に防御されている筈の首都キーウですが、今回の攻撃では多数の高速ミサイルに突破されてしまっています。迎撃が難しい高速ミサイルですが、過去の迎撃戦闘ではパトリオットが待ち構えている場所への攻撃ならば、完封は難しいにしても阻止率はもっと高い場合が多かったのを考えると、迎撃弾が枯渇していたなどの問題が生じていた可能性があります。

 2026年7月2日の高速ミサイルの使用数28発は多いですが、過去最大数41発(2026年6月2日)、次点の40発(2026年6月15日)、3番目の36発(2026年5月24日)と比べると突出して多いとは言えません。ただし今回の7月2日は高速ミサイルの全弾がキーウに集中しているので、特定の狭い箇所に同時多数発射して飽和攻撃を狙って来た可能性もあります。

低速ミサイル×46飛来44撃墜、2突破 ※阻止率96%

  • Kh-101巡航ミサイル×34飛来32撃墜
  • カリブル巡航ミサイル×8飛来8撃墜
  • Kh-59/69空対地ミサイル×4飛来4撃墜

 亜音速で飛来する巡航ミサイルに対しては完封に近い高い阻止率で迎撃に成功しています。撃ち漏らしは2発のみとなっています。

各種ドローン×496飛来475排除、21突破 ※阻止率96%

  • 2026年7月02日:496飛来475排除、21突破 ※阻止率96%
  • 2026年6月15日:611飛来582排除、29突破 ※阻止率95%
  • 2026年6月02日:656飛来602排除、54突破 ※阻止率92%
  • 2026年5月24日:600飛来549排除、51突破 ※阻止率92%
  • 2026年5月18日:524飛来503排除、21突破 ※阻止率96%

 2026年7月2日のドローン攻撃の特徴として、空襲警報の中間報告の段階で頻繁にジェット型ドローンの飛来が報告されている点です。同日の空襲の最終報告でもジェット型の飛来が多かったと報告されています。ただしドローン全体の飛来数が多かったのか識別しきれず正確な割合は未発表で、プロペラ型ドローンに対してジェット型ドローンはどれくらい含まれていたかは分かりません。ただしドローン阻止率を見ると以前よりも良好な数字であり、ウクライナ空軍の以前からの目標であるドローン阻止率95%以上を達成しています。

突破数の打撃力換算:ミサイル1点、ドローン0.1点で計算

※大規模攻撃ではミサイルが打撃量の中心となる。ただしドローンは毎日飛来しているので、月間の打撃量の合計ではミサイルとドローンの割合は半々ずつとなるのが、過去1年間での傾向。

ウクライナ国家非常事態庁の救援活動

ウクライナ国家非常事態庁よりロシア軍の弾道ミサイルの直撃で破壊された民間集合住宅ウクライナ国家非常事態庁よりロシア軍の弾道ミサイルが外れて地面に着弾した痕

キーウ:7月2日夜、ロシア軍による大規模攻撃で死傷者多数

2026年7月3日0時15分(日本時間7月3日6時15分)更新 ・午前0時15分現在、負傷者1人が医療施設で死亡し、救助隊が瓦礫の中から1人の遺体を回収した。キーウでは合計27人が死亡した。救助作業は継続中。出典:ДСНС

※座標(50.428392, 30.662156)、位置特定:Dominik

弾道ミサイルが民間集合住宅に着弾する瞬間

※ロシアのミサイルがキーウのダルニツキー地区の9階建て民間集合住宅のビルに命中する瞬間。弾道ミサイルである可能性が高い。

迎撃ミサイルの発射

※ウクライナ軍参謀本部より、2026年7月2日夜間におけるウクライナ空軍中部航空管区「ツェントル」隷下部隊の迎撃戦闘行動。

キーウ上空、敵弾道ミサイルを撃墜

※キーウ上空でウクライナのパトリオットPAC-3迎撃ミサイルが飛来するロシアの弾道ミサイルを撃墜するIR映像像(赤外線映像)

ゼレンスキー大統領の報告

※「キーウではロシアによる攻撃後の対応が今も続いている。緊急対応要員が瓦礫の撤去や行方不明者の捜索、そして支援活動を行っている。市内20カ所以上で被害が報告されており、その大半は一般の住宅ビルだ。また、救急隊の拠点、研究機関、ホテル、商業施設などにも被害が出ている。」

Kh-69巡航ミサイルのクラスター弾頭を発見回収

ウクライナ国家警察よりキーウのオボロンスキー地区でKh-69巡航ミサイルのクラスター弾頭を回収ウクライナ国家警察よりキーウのオボロンスキー地区でKh-69巡航ミサイルのクラスター弾頭を回収

※キーウ警察の爆発物処理班は、オボロンスキー地区で夜間に発生した敵の攻撃の後、ロシア製のKh-69巡航ミサイルの残骸と12個の不発のクラスター子弾を回収した。出典:ウクライナ国家警察キーウ本部

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