米国防総省は「完全な崩壊状態」、ヘグセス長官は更迭も-元報道官

Derek Wallbank

  • トランプ氏は側近に責任を取らせる高い実績がある-ウリオット氏
  • ヘグセス氏、機密情報を妻らと別のシグナルチャットで共有-NYT

米国防総省は第2次トランプ政権発足後の数カ月に職員を巡るトラブルや相次ぐ人事異動に見舞われ、「完全な崩壊状態」に陥っており、ヘグセス長官は更迭される可能性がある。同省の報道官を最近辞任したジョン・ウリオット氏がこう警告した。

  これに先立ち情報漏えい調査の過程で解雇されたと報じられた国防省高官3人が声明を発表。自分たちが調査対象となっている理由や、調査が進行中であることさえ知らされていなかったと表明した。

大統領執務室でのヘグセス国防長官(中央右、4月7日)

  ヘグセス米国防長官(44)氏は、親イラン武装組織フーシ派を攻撃する機密情報を通信アプリ「シグナル」で共有したとして既に調査を受けた。チャットグループにはトランプ政権高官のほか、米誌アトランティックのジェフリー・ゴールドバーグ編集長も誤って招待されていた。ゴールドバーグ氏はその後、この件を同誌で報じた。

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  ウリオット氏はニュースサイトのポリティコに20日掲載されたコラムで「トランプ大統領は、側近に責任を取らせるという点で高い実績がある」とした上で、「これを踏まえると、ヘグセス国防長官が現在の職にとどまるのは難しいだろう」と指摘した。

  トランプ氏はこの件を巡りヘグセス長官や問題のグループチャットを立ち上げたウォルツ大統領補佐官(国家安全保障担当)を解任しなかった。国防総省の監察総監は、上院の有力議員2人の要請を受けて、この件を調査中だ。

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  米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は20日、ヘグセス長官がイエメンでの軍事攻撃に関する機密情報を、妻と兄弟を含むグループとシグナルの別のチャットで共有していたと報じた。

  国防総省のパーネル報道官はX(旧ツイッター)に投稿した声明で、「シグナルのチャットに機密情報は一切含まれていなかった。彼らが何通りもの切り口で報じようとも、それは変わらない」と表明。NYT紙などの情報源は同省を解雇された元職員に限られているとも指摘した。

FOR IMMEDIATE RELEASE:4/20/25STATEMENT:

Another day, another old story—back from the dead. The Trump-hating media continues to be obsessed with destroying anyone committed to President Trump’s agenda. This time, the New York Times — and all other Fake News that repeat their…

  ホワイトハウスに対し20日夜にコメントを求めたが、すぐに回答はなかった。

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