《山口組4万人軍団から3000人へ…》“ヤクザ壊滅前夜”でトクリュウに積極的関与か 日本の犯罪が凶悪化する日

 * * * 毎年発表されている警察庁の「組織犯罪情勢」(『令和7年における組織犯罪の情勢 ・確定値版』)によりますと、指定団体の構成員数は減少傾向が続いていて、山口組は3300人、分裂して結成された神戸山口組は110人にまで減ったそうです。  山口組は、かつては「4万人軍団」といわれ、末端の組織の未成年(暴走族の少年とか)も含めれば20万人とも試算されていたので、隔世の感があります。神戸山口組も2015年の結成当時の2800人から110人と、10年で1割以下に減りました。  とはいえ警察側の「暴力団員数」のカウント方法は非公開で、個人的にはざっくりすぎる気もします。けっこう前ですが、親分衆の中には「どうやって数えてるのかわからんけど、ウチの組員を多めに公表してくれてうれしい」と喜んだり、「ウチはもっといるはず! なんでこんなに少ないのか?」と怒ったりする人もいました。  それはともかく減っているのは事実ですし、最大組織である山口組がここまで減るのですから、ほかの組織は本当に厳しいでしょう。各都道府県警の暴力団対策課もターゲットがなくなると予算がつかないし、大変だと思いますよ。まあ最近の若い捜査員さんは暴力団対策には興味はないとの噂もあります。  来年も再来年も減り続けるといわれ、マジで「暴力団壊滅前夜」状態になっています。極妻現役時代は想像もつきませんでしたよ……。でも「暴力団」がなくなったところで、日本は犯罪のない国になるのでしょうか?

 そもそもヤクザをやめた組員さんたちはどこへ行ったのでしょう。ヤクザ社会もだいぶ前から少子高齢化が進んでますから、亡くなる人も多く、カタギとしてちゃんと生活している人もいるにはいるでしょう。でも、大半はちゃんと生活できないんじゃないですか?  刺青を入れていたり、指がなかったり、前科があったりすると、就職に支障をきたす。銀行も簡単にはお金を貸してくれないから、自営業も難しいでしょう。あとは短気だとか酒癖が悪いとか根気がないとか性格の問題もあります。  ヤクザ社会はそういう「社会になじめない人たち」の居場所としての機能はあったんですよ。若い衆は、親の意見は聞かないのに、親分や兄貴分の命令は聞きますしね。  それに、「元・暴力団員とは、あくまでも暴力団員である」というのが日本の社会です。 ヤクザをやめても「5年間は暴力団員とみなす」という「みなし暴力団員」の規定がほとんどの自治体の暴力団排除条例にあります。偽装脱退を防ぐためだと思いますが、この5年間をどうやって生きろというのでしょう。  そして、「5年を過ぎればOK」になるかというと、そんなこともないのが現状です。たとえば、2017年にヤクザをやめた男性が、2023年にみずほ銀行水戸支店に口座の開設を断られています。男性はこれを「不合理な差別」だとして、みずほ銀行に対して20万円の損害賠償を求めて提訴しましたが、水戸地裁(佐々木健二裁判長)は2025年に請求を棄却しています。  裁判に至らなくても、「元・暴力団員」であることを理由に車や家のローンを組めないような事例もたくさんあります。「やめてもヤクザはヤクザ。生きる権利などない」というのは、過去の所業を思えばしょうがないんですけど、生活できなければさらに犯罪に手を染めるしかないじゃないですか。  ちなみに都の暴排条例にはこの「みなし暴力団員規定」はありません。5年どころか永久に「暴力団員とみなす」ということですよね。


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 山口組の拠点のある兵庫県の警察本部は、山口組の構成員数の減少について「資金獲得活動が難しくなっている」と分析しています。背景に、組織犯罪が『匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ )』に移行していることがあるといいます。  そうしたなか「元・暴力団員」も「暴力団員」も積極的にトクリュウに関わっている印象があります。  また、トクリュウ以外では「指定団体のコラボ犯罪」も増えるといわれています。 1月に上野で4億円が強奪された事件では、山口組と住吉会と極東会の関係者が逮捕され、このうち山口組と住吉会の関係者5人が「窃盗」で起訴されましたね。  当初は「強盗」の容疑で逮捕されていましたが、報道によりますと東京地検が「現時点では強盗を認定できる十分な証拠がない」としたそうで、逮捕された7人のうち2人は処分保留で釈放されています。  どうなっているのかわかりませんが、今後もこうしたヤクザ組織のコラボは増えるといわれています。どこも人が足りないので協力(?)する感じですね。 外国人の犯罪は、日本人の犯罪に比べれば少ないのですが、これからはわかりません。

「かつてはヤクザが地元の治安を守っていた」とよく言われますが、これはほぼ都市伝説。それでも町の親分の存在感は、いろんな犯罪の抑止力にはなっていたと思います。  町からコワモテの親分がいなくなって、この不景気と物価高。物騒な話ばかり聞こえてきます。不安しかないですよね。  元極妻という微妙な立場ではありますが、いろいろ考えていきたいです。 【プロフィール】待田芳子(まちだ・よしこ)/本名・出身地もろもろ非公開の元極道の妻。広域系三次団体組長だったオットが獄死。その後は普通のオバサンとして生きようと思ったのに、暴力団排除がひどすぎで声を上げずにいられなくなり、いろいろ発信している。著書に『極姐2.0』(徳間書店・2018年)がある。

NEWSポストセブン

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