政治的メッセージ発信する46歳 動画に浸りながら抱く小さな期待
毎日新聞 2025/6/19 05:00(最終更新 6/19 05:15) 有料記事 1832文字
モニターの前に座る男性。政治結社を作り、SNSで主張を発信している=2025年5月8日、千脇康平撮影
動画が次々生まれ、世界にあふれていく。水のように湧き出て、奔流となり、波をつくり、海のように広がる――。候補者、政党、動画制作者、そして有権者の私たち。政治動画の海を漂う人々はどこに向かうのか。
取材班は、政治的な動画が生活の中心にあるような人たち、いわば「動画に生きる」人々の間を歩き、話に耳を傾けた(その1)。
<「動画に生きる」人々>その1 「政治結社」代表男性 46歳
その2 介護施設パート職女性 70歳
その3 氷河期世代 ひとり街宣男性 49歳
× × ×
関東地方の閑静な住宅街。築約40年の木造アパートに、ある人物を訪ねた。
和洋二間(約30平方メートル)の部屋に暮らす、46歳。自ら作った「政治結社」の代表を名乗り、X(ツイッター)などの交流サイト(SNS)やホームページで政治的なメッセージを発信している。
福祉や子供に関する政策を最優先課題に掲げる。自作のサイトには一方で、こんな文言もある。
<皇室は男系継承><竹島を自衛隊が奪還><財務省解体><党による独裁>
独裁とは穏やかではない。一体、どんな人物なのか。組織の実態は――。
手書きの表札や養…