日経平均は年初来安値、スタグフレーション警戒も 中東緊迫の長期化意識
[東京 30日 ロイター] - 30日の東京株式市場で日経平均は、前営業日比で一時2800円下落し、取引時間中の年初来安値を更新した。中東情勢の長期化が意識され、インフレと景気後退が同時進行するスタグフレーションへの警戒感が示されているとの見方もある。日本だけでなく中東依存度が高いアジア株が全般的に売られた。
日経平均は一時2806円安の5万0566円に下落し、23日につけた取引時間中の年初来安値5万0688円を下回った。昨年末の5万0339円に接近し、年初からの上昇をほぼ返上した。東証33業種はすべて下落し、東証プライム市場の9割超が下落する全面安となっている。
中東情勢の不透明感を背景とした原油高基調が続いており、投資家のリスク回避姿勢が強まった。為替の円安基調を受けて、政府・日銀による介入警戒もくすぶっている。
市場では、本格的なスタグフレーションへの懸念を織り込み始めているのではないかとの見方が浮上している。ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは、需要不足ではなく供給不足が意識されている側面が強いとして「需要不足は景気刺激策を取り得るが、供給不足は対策が難しい」と話す。
「情勢の変化が目まぐるしいだけに、きょうが(下落相場の最終局面とされる)セリングクライマックスかどうかは判断しようがない」(ニッセイ基礎研の井出氏)との声が聞かれる。
トランプ米大統領が前週、イランのエネルギー施設への攻撃の再延期を表明した一方、米ワシントン・ポスト電子版は28日、国防総省が少なくとも数週間にわたる地上作戦に向けた準備を進めていると報じた。イエメンの親イラン武装組織フーシ派によるイスラエルへの攻撃も伝わっており、事態は予断を許さない。
<一時トリプル安も>
債券市場では、新発10年国債利回り(長期金利)が一時、前営業日比2.0ベーシスポイント(bp)上昇の2.390%をつけ、1999年2月以来27年ぶりの高水準を2営業日連続で更新した。現象面では一時、株安、債券安、円安のトリプル安となった。
その後、三村淳財務官からかなり強めのけん制が入ったことで、ドルは159円後半に軟化した。「(介入の前段階とされる)レートチェックが入れば日本単独でも1円程度の下押しにはなるだろう。米国の協力があればさらに大きな値幅となりそうだ」(あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジスト)との見方がある。
株価下落のリスクオフ地合いが米金利の低下に波及し、ドル売りを促したともみられている。米金利が低下する中、国内長期金利は1.0bp低下に転じたが、上昇基調は継続しやすいとみられている。「中東情勢の緊迫が沈静化したとしても、ホルムズ海峡を巡る混乱は残り、原油高は続くだろう」(SBI証券の道家映二チーフ債券ストラテジスト)との見方は根強い。
平田紀之 取材協力:青山敦子、坂口茉莉子 編集:石黒里絵
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