最近見ないデバイス調査隊(CNET Japan)

 かつて、「iPhone」でも「iPad」でもないiOS端末が存在した。「iPod touch」だ。音楽プレーヤーの枠を超え、手のひらサイズでネットもアプリも楽しめる──。そんな“もうひとつのiPhone”として話題を集めた。  iPod touchが登場したのは2007年。初代iPhoneと同じ年に生まれた。電話機能こそなかったが、Wi-Fiでインターネットにつながる手軽さが受け、若い世代を中心に人気を博した。当時としては、音楽も動画もSNSも手のひらの中で完結する体験は画期的だった。  最後の第7世代モデルは2019年に登場。A10 Fusionチップを搭載し、ARやグループFaceTimeにも対応するなど、性能面では初代iPhone SEに迫る完成度だった。  しかし、現在このiPod touchはAppleの公式ラインアップから姿を消している。2022年5月、Appleは「在庫がなくなり次第販売を終了する」と発表し、約20年続いたiPodシリーズは静かに幕を閉じた。Appleはその際、「iPodの精神はiPhoneやiPad、Apple Watchなどに受け継がれている」とコメントしている。  現在、iPod touch(第7世代)が対応しているのはiOS 15まで。iOS 16以降はアップデート対象外となり、事実上のサポート終了状態だ。 なぜiPod touchは終わったのか  iPod touchが廃止に追い込まれたのはなぜか。その最大の理由はサブスクリプション型音楽サービスの普及」だと筆者は考える。  携帯電話やスマートフォンで音楽を聴けるようになっても、音楽プレイヤー自体は残り続けていた。しかし、2010年代半ばにクラウド経由で音楽を再生できるサブスクが普及。音楽を所有するという文化が廃れた。セルラー通信でどこでもネットにつながるスマートフォンの優位性が強まり、セルラー非対応の音楽プレイヤーの存在意義が薄まったのだ。

CNET Japan
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