騙されやすい人は、こんな「狂った世界線」の中にいる

私が狂っているのか。皆が狂っているのか。日本が狂っているのか。世界が狂っているのか。地球上にいる全員が狂っているのか。そんなことを思う毎日。

とりあえずネット全体が狂ってる。いや、私の環境が狂っているのか。

Facebook開いたら、100%の確率で、詐欺広告が出てくる。秒で名誉毀損レベルの、有名人を使った嘘ニュースの詐欺広告が、およそ3投稿ごとに表示されるのだ。

・騙されやすい人は、どんどん騙される環境になっていく

それらは、どんどんパワーアップしていく。

私は自らネット犯罪の世界に飛び込み、犯罪の仕組みや状況を把握するのを、もうかれこれ10年以上も続けているベテラン「迷惑メール評論家」でもある。

そのように詐欺などの世界に飛び込んでいくと、“ターゲティング広告” 的な作用によって、ますます詐欺広告だらけになっていく。

嘘に騙されやすい人は、次から次へと “嘘” が追ってくるような仕組みになっているのが今のインターネットである。

ふと、なんのために私はFacebookを開いているのだろうか……と思うことがある。実際の知人の投稿すら嘘に見える。

あまりにも嘘が多すぎるため、もうなんだか麻痺してきている私もいる。まるで「虚構新聞」を見ているようだ。

・どんな嘘ニュースが流れてくるのか?

ちなみに私の世界線では、

■タモリが起訴

■キムタク、有罪を認める

■石破茂首相が告発

■高市早苗が告発

■孫正義が起訴

■中居正広を日銀が提訴

■黒柳徹子を日銀が提訴

■大谷翔平を日銀が提訴

■千鳥の大悟、重体

■水卜ちゃん指名手配

■小島よしお逮捕される

■笑福亭鶴瓶が後悔

■投資家テスタさんが300万円を100億円にする極意を教える

そんなニュースが、本当に3投稿ごとに表示されている。

私が今見ている狂ったFacebookは、上記の嘘ニュースに「マジで?」と反応してしまった人(=騙されやすい人)も、同じような状況になっていることだと思われる。

なぜなら重ね重ね説明するが、上記のように、“ターゲティング広告” 的な作用によって、どんどん “似たような広告(嘘だらけの詐欺広告)が追ってくる” からだ。

つまり私が見ている世界線は、普通の人ではなかなか行き着けないであろう「騙されやすい人が見ている世界線」でもあると言える。

・相手の目的は金と個人情報

ニュースを見ると、読売新聞をはじめとした有名新聞社のニュース(のフリをした嘘サイト)であるが、結局のところ最終的には「いま4万円ほど投資すれば、あとはAIが勝手に株などを運用してくれて大金持ちになれる」という “うまい話” に行き着く。

大金持ちになるためには、4万円程度の手付金以外にも、パスポートや免許証やマイナンバー。銀行口座にクレジットカードに住所に電話番号……と、すべての個人情報を捧げなければならない。

もちろん、大金持ちになれるというのは嘘であるし、上記の芸能人を使ったニュースも嘘である。

支払った4万円なんて返ってこないし、教えてしまった個人情報は悪用されるのがオチ。これがいわゆる “なりすまし投資詐欺” というやつである。

いずれにしても、こういう詐欺は、

“騙される人がいるから無くならない。”

のである。もっと砕けて言えば「詐欺師が儲かり続けるから無くならない」のだ。

・一体誰が狂っているのか

以前の記事にも書いたが、こんな “なりすまし投資詐欺” に対し、昨年2024年の4月、ホリエモンこと堀江貴文氏と、zozo創設者の前澤友作氏が、自民党の合同勉強会に出席し、実情を訴えた。

ずっとなめられている。規制しないとだまされてしまう人が出る」と堀江氏。「シンプルにプラットフォーム規制を」と前澤氏が提言。

しかし、結局のところ何も政府は具体的な法整備をせず、上記のように政治家である石破首相や高市早苗氏まで “なりすまし投資詐欺” の題材に使われる始末。

警視庁がさかんにデータを公開していることからもわかるように、ネット犯罪の件数は年々右肩上がり。いったいどこまで増え続けるのかと不安になるが、ストップするはずがないのである。

なぜならば法整備をしない限り、日本の警察も、日本の政府も、そして日本の政治家も、日本のトップも、この詐欺師たちに何も手が出せないからである。

私が見ているFacebookの世界線は、明らかに狂っている。

だが、こんな狂った状態を放っておくリアルな世界線もまた、虚構の世界以上に狂っていると私は思う。

日本は今、まんべんなく狂っている。

参考リンク:NHK「なりすまし広告 前澤友作さんと堀江貴文さん 対応策必要と訴え」 執筆:迷惑メール評論家・GO羽鳥 Photo:RocketNews24.

こちらもどうぞ → 『GO羽鳥の【実録】迷惑メールシリーズ

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