ドイツ次期首相候補、イスラエル首相を招待 逮捕回避の道模索
ドイツ次期首相就任見通しの保守連合キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)のメルツCDU党首(写真)は24日、イスラエルのネタニヤフ首相をドイツに招待したと明らかにした。同日撮影(2025年 ロイター/Fabrizio Bensch)
[エルサレム 24日 ロイター] - ドイツ次期首相就任見通しの保守連合キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)のメルツCDU党首は24日、イスラエルのネタニヤフ首相をドイツに招待したと明らかにした。
ネタニヤフ首相には国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出ているものの、メルツ氏は「イスラエル首相がドイツを訪問できないのは不条理」とし、ネタニヤフ氏との電話会談で「逮捕されることなくドイツを訪問し、出国できる方法と手段を見つける」と伝えたと明らかにした。
23日投開票のドイツ連邦議会(下院)選挙で、CDU・CSUの得票率は28.5%で第1党となった。メルツ氏の下、迅速な連立政権樹立を目指す考え。 もっと見る
イスラエル首相官邸によると、ネタニヤフ首相は電話でメルツ氏の選挙での勝利に祝意を伝え、メルツ氏から招待を受けたという。
ICCはパレスチナ自治区ガザ攻撃を巡り、ネタニヤフ首相らに対し、戦争犯罪と人道に対する罪の容疑で逮捕状を発行している。
ドイツはICC加盟国で、自国領土内で容疑者を逮捕することが義務付けられるが、ナチス・ドイツのホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)という負の遺産から、イスラエルへの支持を堅持。メルツ氏もイスラエルに対する強い支持を表明している。
ICCは、各加盟国にはICCの決定を執行する法的義務があるとした上で、「ICCの法的判断の妥当性を加盟国が一方的に判断することはできない」と言明した。また、ドイツ左翼党はネタニヤフ首相を招待するというメルツ氏の判断は「大失敗」で、「二重基準」と非難した。
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