「もしかして、狙われてる?」丸い目で飼い主を見つめる愛猫の心理とは(ねこのきもち WEB MAGAZINE)

姿勢を低くして、目をまん丸くしながら見つめてくる愛猫。 写真の猫は、X(旧Twitter)ユーザー@0818komeさんの愛猫・こめくん(取材当時2才)です。机の上でくつろぐこめくんを写真に撮ろうと飼い主さんがカメラを構えると、この姿勢になったのだとか。 【写真】別の日、床に座りながら天井を見つめているこめくん。青い目がきれい! 「襲われる3秒前の飼い主の視点」 このコメントが添えられた投稿は、ドキドキするシチュエーションとリアルなこめくんの表情が好感を呼び、X(旧Twitter)で約2.9万人の「いいね」を集めるほど話題になりました。(2024年5月10日時点)  このあと飼い主さんはどうなったのでしょうか?  撮影時の状況などについて、お話を伺いました。

飼い主さんによると、撮影当時のこめくんはカメラを構える飼い主さんの手に急に興味をもち、飛びかかろうとしていたそうです。 飼い主さん: 「(こめくんのこの姿を見て)『目がまん丸でかわいいけれど、飛びかかってきたら手を噛まれる!』と思ってドキドキしました。こめは、たまに私の手に飛びかかってくるんです。この日もなぜか私の手が気になったようで、このあと飛びかかられて手を噛まれました(笑)」

今回は手を噛まれてしまった飼い主さんですが、何も対策をしていないわけではないといいます。 飼い主さん: 「毎回噛ませていると手で遊ぶクセがつくので、基本的には阻止しています。飛んでくる前に私が手を隠して、こめの興味がなくなるまでやり過ごしています」

ここからは、ねこのきもち獣医師相談室の山口みき先生にお話を伺います。 ——たまに飼い主さんの手に飛びかかってくるという、愛猫のこめくん。この日もなぜか飼い主さんの手が気になったようで、目をまん丸くしながら見つめたあとに、飼い主さんに飛びかかり手を噛んだそうです。こうしたこめくんの行動には、どのような意味や理由があるのでしょうか。 山口先生: 「飼い主さんの手を捕食遊び、つまり狩り遊びの対象にしています。過去に同じ行動をとった際の噛み心地や、飼い主さんの反応が刺激的で繰り返しているのでしょう。 猫の捕食行動は本能ですが、人を対象にしてしまうのにはいくつかの理由も考えられます。たとえば、子猫のときに人の手にじゃれさせたり噛ませたりする遊びをしていた、遊び不足などにより捕食行動の欲求が満たされていないなど。また、若い猫やオス猫は体力も気力もあるので、こうした行動をとりやすいでしょう」 ——飼い主さんは、こめくんのこうした行動に対して、なるべく飛んでくる前に手を隠して、こめくんの興味がなくなるまでやり過ごしているそうですが、何かほかによい対策などはありますか。 山口先生: 「愛猫をよく観察すると、目が丸くなるほか、狙いを定めるようなしぐさや、動きがとまる、じっと見つめるなどの行動変化があるはずです。 こうした捕食行動に入る様子が見られたら、すぐさまに別室に行くか立ち去るなどして距離をとり、物理的に飛びかかれないようにしましょう。“飛びかかる→噛む”の一連の行動ができない状況をつくり、落ち着くまではその部屋に戻らず、落ち着いたらさりげなく戻ってください。また、共通するタイミングや場所があるかもしれません。それらを避けて隙をつくらないことも対策になります。  このほか、万が一のために、前もって手を隠せる大きめのクッションや手袋型の鍋掴みなどをそばに置いておくのもよい方法です。間に合わない場合は、飼い主さんのように手を隠すほか、噛まれた際には声を出さない、猫を見ないを徹底し、無反応を貫いてください。反応すれば猫は興奮し、さらに噛みたくなるので注意しましょう」 山口先生によると、エスカレートすることで嚙みつきが強くなったり、人と猫との関係性が悪化したりすることもあるそうです。愛猫に噛みつき行動が見られる場合は、積極的に対策するようにしましょう。 写真提供・取材協力/@0818komeさん/X(旧Twitter) (監修:ねこのきもち獣医師相談室 獣医師・山口みき先生) 取材・文/長谷部サチ ※この記事は投稿者さまに取材し、了承の上制作したものです。2025年8月時点の情報であり、現在と異なる場合があります。

ねこのきもちWeb編集室

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