勝者ほぼ的中の伝統持つ米大統領選カップ販売、ハリス氏の勢い示す

米ニューヨーク州東部イーストハンプトンにあるギフト店「モノグラム・ショップ」では、夏の初めにトランプ前大統領の名前入りカップが飛ぶように売れていた。混乱続きの今回の大統領選では、はるか遠い過去のことと言える。

  しかし、バイデン大統領が選挙戦から撤退し、トランプ氏の対抗馬としてハリス副大統領が候補となって以来、ハリス氏の名前入りのカップの方が圧倒的に売れているという。

モノグラム・ショップで販売されているトランプ氏とハリス氏のカップ(ニューヨーク州イーストハンプトン)

  世論調査ではどの候補が勝ってもおかしくないとされている選挙戦最終盤に、この店の集計では民主党候補に軍配が上がっている。トランプ候補のカップ販売が7418個に対し、ハリス氏は(バイデン氏撤退前の時期の分を含めて)1万4218個で圧勝となっている。

  2人の候補者の名前を入れた3ドル(約456円)の「候補者カップ」の売り上げを数えるのは、この店で20年も続いている一風変わった伝統だ。通常販売しているのは、200ドルの名前入りバスローブや80ドルのカクテルナプキンなど、高級な小物だ。

  2004年以降、カップ販売数は大統領選の勝者をほぼ正確に言い当ててきた。例外は1回だけで、16年にトランプ氏がクリントン元国務長官を破ったときだという。オーナーのバレリー・スミス氏は、16年の例外的なケースでさえ、得票数ではクリントン氏が勝利したことを考えれば、同年の米国民の感情を正確に反映していたと主張する。

  バイデン氏が24年の選挙戦から撤退する前は、トランプ氏のカップ販売がバイデン氏を5対1の割合で上回る日もあったが、ハリス氏の名前入りのカップを販売し始めたところ、「その割合が逆転した」とスミス氏は話す。

ニューヨーク州イーストハンプトンのモノグラム・ショップ

  ニューヨーク州は伝統的に民主党候補に投票する傾向があるが、同店のあるサフォーク郡は激戦区だ。

  カップの売れ行きは有権者の熱意の表れだとスミス氏は言う。24年の売り上げは同店にとって過去最高となっているとも付け加えた。スミス氏と娘のハドレーさんは1997年にモノグラム・ショップを創業し、ブッシュ(子)元大統領が再選を果たした2004年から候補者カップの販売を開始した。

  スミス氏は10月半ばにブルームバーグに対し、「売れ行きは変動している」と述べ、どちらの候補者も、相手候補よりも多くのカップを販売することがあると語った。投票日直前の週末がまさにその典型で、3日はトランプ候補がハリス候補を57対52で上回ったが、2日はハリス候補が91対22で「勝利」したという。

原題:Hamptons Store’s $3 Election-Cup Tradition Shows Harris Momentum(抜粋)

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