街乗りからアウトドアまで対応する実力派「トヨタ・ヤリスクロス」【最新コンパクトカー 車種別解説 TOYOTA YARIS CROSS】

コンパクトハッチバックモデルのヤリスとともに今、販売絶好調なのがヤリスクロスだ。

エクステリア

SUVらしい逞しい前後フェンダーアーチ、スポーティなリヤスポイラーが印象的。「Z“Adventure”」は、専用前後バンパーやルーフレール、ドアの下側にモールディングを装着。最小観点半径は5.3m。

ヤリスをベースにクロスオーバーモデル化されたものだが、ヤリスや同種のライバル車であるホンダ・フィットクロスターとはまったく異なるキャラの持ち主と言っていい。というのは、ヤリスとパワートレインやCVT、ホイールベースなどを共用しながら全幅1765㎜の3ナンバーボディが与えられるとともに、リヤオーバーハングを延長。アウトドアに不可欠な大きな荷物が積載可能な大容量で使い勝手の良い荷室を実現。さらに悪路走行で威力を発揮する最低地上高は170㎜を確保し、かなり本格的な4WD性能(特にガソリン車)さえもち合わせている。

乗降性

前席 後席 頭上まわりに余裕があり、高めの着座位置により身体の上下動も少なくてすむ。後席は開口幅が狭めで、前後席ともにステップと床面との間に大きめの段差があり、少し気を遣う。

インテリアではインパネなどヤリスと大きく変わるところはなく、パッケージ的にはマツダCX-3に近い前席優先の仕立て。後席は格段の余裕こそないものの、前方見通し性の良さやアップライトで自然に座れるたっぷりサイズのシートによって窮屈感を感じさせない空間となる。ラゲッジの使い勝手も優秀だ。アジャスタブルデッキボード(「Z」のFFに標準装備)によって荷物に合わせて高さを2段階に調整でき、デッキボードを下段にセットすれば観葉植物など背の高い荷物や大型スーツケース2個、ゴルフバッグ2セットも積載可能。上段にセットすればデッキボードの下が床下収納になる。そのラゲッジにはハイブリッド車にメーカーオプションで非常時給電機能付きAC100V/1500Wも装備でき、アウトドアや停電時などで威力を発揮してくれる。

インストルメントパネル

2026年2月の一部改良で、「G 」「Z 」系はコネクティッドナビ対応10.5 インチディスプレイオーディオが標準装備。(「X」は8インチディスプレイオーディオ)。「X 」のガソリン車を除きオートエアコンを採用。写真は従来モデル。

パワートレインは3気筒エンジンを基本に1.5ℓ+CVT、1.5ℓエンジン+モーターのハイブリッド。ハイブリッドの「X」は最良燃費30.8㎞/ℓに達する低燃費車でもある。ガソリン車でも最良18.9㎞/ℓとなっている。そんなヤリスクロスは2026年2月に一部改良。新色ボディカラーの採用、一部外装色の変更とともに、10.5インチディスプレイオーディオPlusを「Z」「Z〝アドベンチャー〞」「G」に標準装備。寒冷地仕様を4WDに標準装備している。

居住性

後席 前席 前席は可動域の大きなシートハイトにより小柄な人でも適切な前方視界と運転姿勢が取れる。背もたれの天地高と座面前後長はクラスの平均的なサイズだが、シート幅には余裕がある。後席の足元は狭いものの、ヒール段差が高めで前席下への足入れ性も良好なのできちんとした姿勢を取れる。座面は、水平基調だが前後長は長めだ。リヤセンターアームレストも装備。

さて、1.5ℓのガソリン車を走らせると、軽快感、全高、着座位置の高さを感じさせない水平感覚に徹したカーブ、レーンチェンジでのスムーズさ極まる走行性能が好ましい。ただし動力性能は穏やか。力強い加速を得ようとしてアクセルペダルを深く踏み込むと車内にエンジン音が充満。ドライブモードをスポーツにセットして活発に走らせようとするとけっこううるさいのが気になる。また、18インチタイヤ装着車の乗り心地は硬め。段差、路面の継ぎ目の乗り越えではそれなりのショックに見舞われる。乗り心地重視なら16インチタイヤ装着車を薦める。

うれしい装備

6対4分割アジャスタブルデッキボードは、上下段に設置でき、上段にすれば後席前倒し時にフラットな奥行きが広がる。下段にすれば荷室高を稼ぐことが可能で、荷物に応じて使い分けができる。 ハンズフリー対応のパワーバックドアを「G 」と「X 」を除いてオプション設定する。スイッチ操作で容易に開閉が可能で、挟み込み防止、停止位置メモリー、予約ロック機能を備える。 AC100V/1500Wのアクセサリーコンセントをハイブリッド車にオプション設定。レジャーや災害時に家電などに給電できる。ノーマル、エコ、パワーから選択できる走行モードのほか、ハイブリッド車にはEVモードを用意。状況に応じて選択が可能だ。 冬場や冷間時にすぐに腰まわりを温めてくれるシートヒーターを「Z」系に標準装備。運転席/助手席それぞれに用意される。俯瞰から自車周囲を360度映し出す床下透過映像表示機能付きパノラミックビューモニターを上位機種にオプション設定。
月間販売台数   6723台(25年11月~26年4月平均値)現行型発表    20年8月(一部改良 26年2月)WLTCモード燃費  30.8㎞/ℓ※「X(ハイブリッド)」のFF車

ラゲッジルーム

通常時 後列格納時 アジャスタブルデッキボード装着車の通常時の容量は351ℓ。ワイドな開口幅を実現していて、床面も高過ぎないため積載性は良好。「G」以上は4対2対4分割可倒式になり、中央部を前倒しすれば4人乗車しながら長尺物にも対応する。

ハイブリッド車は、出足のモーター走行によるスムーズさ、静かさ、トルキーな動力性能の余裕、巡航時の粘り強いモーター走行に加え、18インチタイヤ装着車でもガソリン車比約50㎏の重量増による落ち着き感ある乗り心地の良さが魅力となっている。ちなみに、ヤリスクロスはレクサスLBXのベース車両でもあるのだ。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.177「2026年 コンパクトカーのすべて」の再構成です。

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