トルコ支援のシリア反体制派、北部の町を米支援組織から奪取
[アンカラ 9日 ロイター] - 米国とトルコは、トルコが支援するシリア反体制派による北部の都市マンビジュでの進撃を受け、米国が支援するクルド人主体の組織「シリア民主軍(SDF)」の安全な撤退を確保することで合意した。シリアの反体制派筋が9日、明らかにした。
トルコ治安筋によると、トルコが支援する複数のシリア反体制派組織がSDFからマンビジュを奪取した。
シリアでは反体制派が首都ダマスカスを掌握し、アサド大統領を追放したが、北部での衝突は続いている。
SDFは「シリア国民軍(SNA)」などトルコが支援する組織と激しい戦闘を繰り広げ、ここ数日マンビジュを占拠していた。
トルコのエルドアン大統領はアンカラで演説し、マンビジュから「テロリスト」が一掃されたことを歓迎すると述べた。
シリア反体制派筋は「(クルド人戦闘員は)市内から撤退したが、(マンビジュの東にある)他の地域からも撤退する必要がある」と述べた。
ロイターが確認した動画によると、マンビジュでは住民が反体制派組織を歓迎する様子が映っている。マンビジュはトルコとの国境の南30キロの地点に位置する。
SDFは過激派組織「イスラム国」(IS)の掃討で米国の支援を受けているが、トルコはSDFについて、トルコ国内で非合法化されている武装組織「クルド労働者党」(PKK)とつながりのあるテロリスト集団が指揮していると主張している。
米国はSDFが制圧するシリア東部でプレゼンスを維持し、ISの復活を阻むために必要な措置を講じる意向を示している。
これとは別にオースティン米国防長官は、米軍がここ数日、シリアを攻撃したことについて、ISが混乱に乗じて活動を拡大することを阻止する狙いがあると説明した。
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