「2億画素」のスマホに理解らされてしまった…

Photo: 小暮ひさのり

スマホに何を求めるか? はひとそれぞれ。

僕の場合「そろそろカメラ性能勝負はしなくていいかなぁ」と感じていました。

僕のスマホカメラの用途って、発表会のスライドを記録したり、旅行で風景を撮ったり、食べ物の写真を撮ってSNSにシェアするくらい。これは「思い出や体験の画像・映像化記録」の感覚。そこに芸術的な美しさは過剰に求めていません。

なので、今はiPhone 15 Pro使っていますけど、壊れたとしたら無印のiPhone、もしくはまもなく出そうなiPhone SE4やPixel 9aなんて路線も悪くないなぁ〜。コスパ高そうだし!

…なんて思っていたんですよね。

思っていたのです。そう、思っていた。節約路線で行こうと。コスパイズジャスティスだと信じていたのですが、ある日Galaxy S25 Ultraってやつが二億画素でぶん殴って来たのです。

そのカメラにわからせられた体験が悔しいけど楽しかったので、僕の葛藤を聞いて下さい。

Galaxy S25 Ultraのカメラ性能にヤられる

https://www.gizmodo.jp/2025/01/galaxy-s25-ultra-review-jp.html

まずそのわからせカメラがどんなスペックだったのかというと、レンズ構成はこんな感じ。

【アウト】

・超広角…5,000万画素

・広角…2億画素

・望遠…5,000万/1,000万画素

【イン】

・1,200万画素

広角2億画素は前モデル(S24 Ultra)から踏襲ですが、S25 Ultraでは超広角側の画素数が上がっていますね(1,200万画素→5,000万画素)。

ズームは、光学3倍・5倍ズーム、光学相当2倍・10倍ズーム。デジタルズームは最大100倍まで引っ張れます。このカメラの威力を思い知らされたのが、こちらの撮影シーン。

Photo: 小暮ひさのりWeb掲載用にリサイズしています

打ち合わせで訪れたカフェのテラス席。店員さんが赤外線ヒーターを用意してくれるという気の利いたサービスが嬉しくなって、ついパシャっと撮影。

2億画素の広角で撮影するとさすがの解像感。背景は柔めにボケつつも、被写体のヒーターはカリッとメリハリよく映りますね。メタルの質感もしっかりと表現されていて、さすがのクオリティ(オリジナルはjpgで38MBほどあります)。

そして、眺めているうちに、ハニカムのカバーの模様がかっこいいなぁ! なんて思ったので、ズームしてみたら…

Photo: 小暮ひさのりWeb掲載用にリサイズしています

知っちゃった、このディティール出せることを。

いやぁ、これはさすがに信じられなかったですね。120mmレベルの望遠装着した一眼ならまだしも、これスマホですからね。

一歩も動かず、近づかず。上の写真と同じ位置角度でスマホを構えたままで、ここまで寄れて、金属のシボ感までしっかりと表現された写真が撮れちゃうわけです。これはずるい。

Photo: 小暮ひさのりWeb掲載用にリサイズしています

色表現の方向性も気に入りました。

盛りすぎもせず、かといって物足りなさもなく、ちょうどいい塩梅なナチュラルな画作り。普段触っているiPhoneのほうがまだ色味を盛っている感覚がありますね。全体的なトーンはかなり見たままの色合いに寄っています。

で、こうして2億画素の広角カメラで世界を保存した後は…

Photo: 小暮ひさのりWeb掲載用にリサイズしています

いいよ、いいよ、この立体感ッ!

と、ズームして遊ぶのです。ここまで寄っても画が破綻しない(最高倍率の100倍はさすがに絵画ですが)、のが本当に偉くて、これまで「別にいらないよな」とまで感じていたズーム撮影が楽しくてなりません…。

そして、このズーム撮影の楽しさを引き上げてくれているものが、AFの良さです。

Gif: 小暮ひさのり

画質だけだったら「キレイ」で済む話だったのですが、そうさせなかったのがこのAF性能。この端末、こちらの意思を理解しているかのように、狙いたい場所にしゅぅーっと高速でフォーカスを合わせてくれます

たとえば上の動画。一眼ですらフォーカスが迷いがちな背景→透明なグラスの水といったフォーカス移動も、迷うことなくクイックに、それでいて自然にフォーカスをシフトしてくれます。

個人的に「画質」ってわりと自己満足的な要素が強いところなんですけど、このフォーカスの良さっていわゆる「体験」や「利便性」、ざっくり言えば撮影ストレスの解消に繋がるところでの評価ですよね。そこも含めてしっかりとカメラを作り込んでいるなと感じました。

動画性能にもヤられる

Gif: 小暮ひさのり/かみやまたくみ

そしてまた、動画性能もすごくてですね…。

通常の手ブレ補正も強力ながら、「スーパー手ぶれ補正」を有効にすると、あなたアクションカメラですか? って疑いたくなるレベルで粘ります。

20万オーバーのスマホをこんなブンブン振り回すのは恐ろしいので、アクションカメラの出番がなくなるわけではないと思いますが、手持ち撮影でもジンバルレベルのスムーズな動画撮影や、配信ができるのだと考えると、旅log撮影スマホとしてもめちゃくちゃ優秀な端末なのじゃ? これって。

僕は自らスマホの楽しみ方を狭めていたのかもしれない

Photo: 小暮ひさのり

今回はインプレッションのための試用で、ほんの数時間しかこのカメラに触れられていなかったのですが、この端末なら風景撮影から物撮りまで、自分の意思どおりの画を撮影できるな!という印象は確実に伝わりました。

それに伴って、僕のスマホに対するひとつの意識変化が訪れた感覚があります。

まだモヤモヤとしているところがあって、正確に表現するのはちょっと難しいのですが、スマホのカメラをただのツール、機能、用途として見ていた認識から、「撮るっていいな」という遊びや楽しみのひとつへと認識が変わったように感じています。

これまでは…

・僕はそんな撮り方はしない

・僕の用途ならこれで十分

といったように、スマホの用途を自ら狭めていたんですよね。

でも昔からそうだったわけじゃなくて、かつてはカメラ性能の向上に一喜一憂していました。それが、あるタイミングで自分がそれまで行ってきたカメラ機能が満足できるレベルに達したことで、スマホのカメラにそれ以上の体験を期待しなくなってしまっていたのです。「ここで十分」と。

しかし今回、より高画質で、より気持ちよく、より多くのものを撮れるスマホに触れたことで、これまで見えていなかった、意識の外にあった、自ら封印していた、楽しみ方にまで手を伸ばせるようになるような高揚感や成長への期待感の扉を叩いてくれたのです。

上で言ったように、旅に出てみたくなりましたし、新しいガジェットや食事もエモく撮りたくなるかもしれませんし、そこに楽しさを見いだせるようになるかもしれません(実際楽しかったですし)。もしかしたら、望遠撮影が求められる子どもの運動会も、今よりもさらにキレイに残せて、満足感が段違いになる可能性もありますからね。

こうして、これから出会う、カメラを通じた体験をアップデートさせてくれる(=新しい行動を促してくれる)。そんな可能性を考えさせてくれるスマホでした。

このGalaxy S25 Ultraそのものを買うか? はまだわかりません。でも、意識は確実にかわりました。次買うスマホはカメラ性能もしっかりとコダワリたいと思います。

僕の遊びの幅が、体験が、楽しさが広がることを期待して。スマホって、やっぱ楽しいですね。

Source: サムスン

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