さよなら、Google アシスタント。よろしく、Gemini

Image: shutterstock

Lifehacker 2025年3月25日掲載の記事より転載

モバイルデバイスにおけるデジタルアシスタントで、多くの人がまず思い浮かべるのはSiriGoogle アシスタントの2つでしょう。

Siriが完全にAppleの存在と結びついているように、私にとってGoogle アシスタントはAndroidの代名詞です(たとえiPhoneでもGoogle アシスタントをダウンロードできるとしても)。

しかし、Google アシスタントの時代は終わりに近づいており、思っているよりも早そうです。

Googleがアナウンス

以前、Googleはブログ投稿で、「今後数カ月のうちに」より多くのユーザーをGoogle アシスタントからGeminiへ移行し、今年後半にはほとんどのデバイスでおなじみのアシスタントを終了すると発表しました。

これは多くのAndroidデバイスにプリインストールされているアシスタントだけでなく、アプリストアでダウンロードできるバージョンも対象となるため、iPhoneユーザーもGoogle アシスタントをダウンロードできなくなる見通しです。

では、なぜ「Android版Siri」とも言えるGoogle アシスタントが急に退場となるのでしょうか? 実は、新たな存在が登場したからです。それが本当に実用化の段階に達しているかどうかは別として──。

さようなら、Google アシスタント

Googleは今、生成AIアシスタントであるGeminiに全力を注いでいます。

かつては「Bard」と呼ばれていたGeminiは、OpenAIのGPTシリーズのような生成AIモデルであると同時に、ChatGPTのようにアシスタント機能も持っています。

そのため、GoogleはGeminiを従来のアシスタントが担っていたタスクをこなすツールとしてユーザーに提供すると同時に、最新のAIモデルを使って定期的にアップグレードすることができます。

ほかの大手テック企業と同様、Googleもこれら新しいAIモデルを着実にリリースしており、Geminiは継続的にアップグレードされ続けることになります。一方で、Google アシスタントはそうではありません。

生成AIに興味がない、あるいはGeminiの信頼性に疑問を感じている場合、今回の発表にはがっかりするかもしれません。しかし、これは決して突然のニュースというわけではありません。Googleはこの方針を以前から示唆していました。

Geminiが登場して以来、GoogleはAndroidにプリインストールする形や単独アプリとしてなど、より多くのユーザーにGeminiを提供し、Google アシスタントの代わりに使うよう促してきました。

実際、Geminiがアラーム設定やカレンダー連携といった基本的なアシスタント機能を備えていなかった段階でも、AndroidユーザーがGoogle アシスタントをGeminiに置き換えられるようにしたのです。もしフル機能のアシスタント体験を求めるなら、当時はまだGoogle アシスタントのほうが優れていました。

もちろん、そうした状況がずっと続くわけではありません。GoogleはGeminiの機能を拡充し続ける一方で、既存のアシスタントであるGoogle アシスタントには制限をかけはじめています。

同社は1年以上前からGoogle アシスタントの機能を削除しはじめ、現在もその動きを続けています。

なぜGoogle アシスタントをGeminiに置き換えるのか?

Googleの考えでは、Geminiは単純により優れたオールラウンドなソリューションです。

以前は存在しなかった楽曲再生やタイマー設定といったアシスタント機能を備えるだけでなく、カメラにアクセスして周囲の状況に関する質問に答える「Gemini Live」や、問題を解決する前に「推論」モデルでステップごとに考えを重ねる「Deep Research」といった最新のAI機能も含まれています。

さらに、このサービスは200以上の国々で40以上の言語に対応するまでに拡大され、かつてのGoogle アシスタントのように幅広く利用できるようになっています。

理論的には筋が通っています。新しいテクノロジーが古いものに取って代わるのは自然な流れで、現時点ではGeminiがその新しいテクノロジーというわけです。

ただ問題となるのは、いまだに生成AIには多くの課題があり、Googleのような企業もそれを完全に解決しきれていないことです。

GoogleはGeminiにアシスタント機能を追加してきましたが、特定のアプリを開く、リマインダーを設定する、スマートライトの色を変更するなど、基本的なタスクにうまく対応できないという報告は依然として続いています。

唯一、この移行の対象外となるのは、Geminiの動作要件を満たさないデバイス、つまりRAMが2GB未満であったり、Android 9以前の端末です。もし2026年になってもGoogle アシスタントを使い続けたいなら、かなり古いAndroid端末を使う必要があるでしょう。

著者:Jake Peterson 翻訳:ライフハッカー・ジャパン編集部 Photo: mundissima / Shutterstock.com Source: Google(1, 2) ,Reddit

関連記事: