ソフトバンクG150億ドル借入、みずほ銀など3行が2割強拠出-関係者

ソフトバンクグループが人工知能(AI)関連投資の原資として調達する150億ドル(約2兆2000億円)の借り入れで、みずほ銀行と三井住友銀行、米JPモルガン・チェースの3行が主幹事を務めたことが分かった。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

  関係者らによると、みずほ銀が13億5000万ドル、三井住友銀が12億5000万ドル、JPモルガンが10億ドルを拠出し、主幹事3行で36億ドルを負担する。また英HSBCホールディングスと英バークレイズがそれぞれ9億5000万ドルを、 米ゴールドマン・サックス・グループや三菱UFJ銀、フランスのクレディ・アグリコルを含む7行が各8億5000万ドルを融資する。

  ソフトバンクGは次の成長領域にAI分野を位置付け、米オープンAIへの出資や米半導体企業アンペア・コンピューティング買収などに乗り出している。合計21行が参加するつなぎ融資(ブリッジローン)はソフトバンクGの大型投資を支える重要な役割を担う。

  同社は13日に開いた投資家向け説明会で、邦銀6行、欧州銀10行、米銀5行が融資に参加していることを明らかにした。後藤芳光最高財務責任者(CFO)は、短時間でこの組成が完成したことに感謝していると述べ、「非常にグローバルレベルでバランスの取れた銀行団の参加を実現することができた」と手応えを示していた。

  同社の発表によると、米ドル建てタームローンで期間は1年。オープンAIへの投資に充てる85億ドルと、アンペア買収に充てる65億ドルの2本立てのシンジケートローンで、オープンAI向けの融資はすでに実行済み。アンペア買収向けはコミットメントラインとなっており、関係者によると、買収完了のタイミングに合わせて引き出される。

  みずほ銀、三井住友銀、JPモルガン、HSBC、バークレイズ、ゴールドマン・サックス、三菱UFJ、クレディ・アグリコル、ソフトバンクGの広報担当者はコメントを控えた。

  同社は成長を加速するための大規模な投資に向け、これまでも巨額の借り入れを行ってきた。2017年には米携帯電話事業者スプリント(現TモバイルUS)とアーム・ホールディングスの買収資金などの借り換えで2兆6500億円のシニアローン借り入れ契約を結んだと発表していた。

  ソフトバンクGが米国でのAI投資に必要となる資金調達の一環として、最大165億ドル相当の融資を求めていると、ブルームバーグは4月に報じていた。

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