UAEが5月1日にOPEC脱退、イラン紛争下で結束に亀裂(ロイター)
Maha El Dahan [ドバイ 28日 ロイター] - アラブ首長国連邦(UAE)は28日、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟国を加えたOPECプラスから5月1日に脱退すると発表した。イラン紛争が歴史的なエネルギーショックを引き起こし世界経済を揺さぶる中、産油国組織と事実上の盟主であるサウジアラビアにとって大きな打撃となる。 長年のOPEC加盟国であるUAEの離脱は、内部では意見が分かれながらも結束姿勢を示してきたOPECに混乱が生じ、組織を弱体化させる可能性がある。 一方、UAEはOPECに属さないことで、世界で最も低コストかつ低炭素の原油供給国としての地位を最大限に活用することができる。離脱は、消費者や世界経済全体にとって最終的には総じてプラスであり、より迅速かつ信頼性の高いエネルギー供給を確保するものと捉えているという。 原油価格をつり上げているとOPECを非難してきたトランプ米大統領にとって、UAEのOPEC脱退は追い風となる。 トランプ大統領は2018年の国連総会での演説で、OPECが原油価格を高止まりさせ「世界の他の国々を搾取している」と非難していた。また、トランプ氏は湾岸地域への米軍の支援と原油価格を関連付け、米国がOPEC加盟国を防衛している一方で、加盟国は「これにつけ込んで原油価格をつり上げている」と批判してきた。 ADCBのチーフエコノミスト、モニカ・マリク氏は「地政学的状況が正常化すれば、これはUAEが世界市場シェアを獲得する道を開くものだ」とした上で、消費者と世界経済全体にとってプラスになるはずだと述べた。 UAEのマズルーイ・エネルギー相はロイターに対し、エネルギー戦略を慎重に検討した上での決定だと表明。サウジアラビアと協議したかとの問いには、どの国にもこの問題を提起していないとし、「政策上の決定であり、生産水準に関する現在と今後の政策を慎重に検討した上で下された」と語った。 OPECの湾岸産油国は、イランによるホルムズ海峡の実質的な封鎖措置などを受け、輸出に苦慮している。 マズルーイ氏は、ホルムズ海峡を巡る現状を踏まえれば、今回の決定が市場に大きな影響を及ぼすことはないとの認識を示した。ただ、世界はより多くのエネルギーを必要とし、UAEの今回の措置はそのニーズを満たすのに役立つだろうと示唆した。 RYSTADのアナリスト、ホルヘ・レオン氏は「UAEの脱退はOPECにとって大きな転換点となる」と指摘。「ホルムズ海峡における混乱が続いているため、短期的な影響は限定的かもしれないが、長期的な影響としてはOPECの構造的な弱体化が挙げられる。OPEC離脱により、UAEは増産する動機と能力の両方を持ち、市場の中心的な安定化要因としてのサウジアラビアの役割の持続可能性についてより広範な疑問が生じる。また、OPECの供給不均衡を緩和する能力が低下するにつれて、石油市場の変動性が高まる可能性を示唆している」と述べた。 サクソバンクのオレ・ハンセン氏も「短・中期的に見れば、市場はUAEからの原油供給増を吸収できるはずだ。しかし長期的には、UAEの離脱はより広範な戦略的問題を提起する。他の産油国が割当量規律よりも市場シェアを優先し始めた場合、OPECが協調的な供給調整を通じて秩序ある市場を管理できる能力は、ますます疑問視されるようになるだろう」と警戒感を示した。 UAEのアンワル・ガルガシュ大統領外交顧問は27日、イランの攻撃に対するアラブ諸国と湾岸諸国の対応を批判していた。同氏は「湾岸協力会議(GCC)加盟国は後方支援では相互支援してきたが、政治的・軍事的にはこれまでで最も弱い立場にあると思う。アラブ連盟が弱い姿勢を示すことは予想しており意外ではないが、(湾岸)協力会議の姿勢は予想外で驚いている」と語った。 一方、イラクの石油当局者2人によると、イラクはOPECやOPECプラスから脱退する意図はない。同当局者は、安定した許容可能な原油価格を確保するための強力な組織を支持していると述べた。