フェラーリ、一部モデルの価格最大10%引き上げへ-米自動車関税で
- 利益率の圧迫認めるも投資家に安堵感広がる-株価一時2.6%上昇
- 全車イタリアで製造-米国は出荷量の4分の1占める最大市場
フェラーリは27日、トランプ米大統領が発表した輸入自動車への追加関税に対処するため、一部の車の価格を最大10%引き上げる計画を明らかにした。
フェラーリは発表で、関税によって利益率が圧迫される可能性があることを認めたが、今年の収益予測を示し、投資家を安心させた。同社の株価は27日のミラノ市場で一時2.6%上昇した。
フェラーリは声明で、売上高に占めるEBIT(金利税引き前利益)とEBITDA(利払い・税金・減価償却・償却控除前利益)の割合が50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)減少する可能性があるとの見通しを示した。「296」、「SF90」、「ローマ」については関税分を全額吸収、その他のモデルについては一部を負担し、最大10%の値上げで対応するとした。
米国はフェラーリにとって最大の市場で、総出荷量の約4分の1を占める。昨年の米国での販売台数は前年比6%増の3452台だった。フェラーリはすべての車両をイタリアのマラネロで生産している。フェラーリの価格は約25万ドル(約3765万円)から始まり、「F80」のような限定生産のスーパーカーでは350万ドルを超えることもあるため、米国では車両価格が数万ドル上昇することになる。
トランプ氏は26日、輸入自動車に25%の関税を課す布告に署名した上、欧州連合(EU)とカナダが米国に対し共同歩調を取る場合は、より厳しい関税を課す考えを示した。貿易戦争が拡大し、報復措置の脅威が引き起こされる恐れが増している。
バーンスタインのスティーブン・ライトマン氏らアナリストはリポートで「新車価格が上昇しても、ガレージに保管されている他のフェラーリ車の価値も上昇しているという事実により、衝撃はある程度和らげられるだろう」との見方を示した。
原題:Ferrari Plans to Raise US Prices Up to 10% After Tariffs Hit (1) (抜粋)